フレンチ、一人飯、家レシピ…秋の「食ドラマ」はなぜこれほどウケた?
「グランメゾン東京」「孤独のグルメ」「新米姉妹のふたりごはん」など秋の「食ドラマ」4作がそろって支持されました。好調の背景を解説します。

今秋スタートの新作ドラマで視聴率トップを快走する「グランメゾン東京」(TBS系)を筆頭に、ネット上には、4つのグルメドラマを褒めたたえる声が飛び交っています。
その4作とは、型破りなシェフが世界最高のレストラン作りに挑む「グランメゾン東京」、さまざまな町で一人飯を楽しむ「孤独のグルメ」(テレビ東京系)、美少女姉妹が家で料理する「新米姉妹のふたりごはん」(同)、給食マニアの教師が主役の「おいしい給食」(TOKYO MX、テレビ神奈川、BS12トゥエルビほか)。
主人公や主演俳優、グルメの扱い方、物語性の割合、放送時間帯などが異なる4作が、なぜ、そろって好意的な声を集めているのでしょうか。
多彩なコンセプトで飽きさせない
もともと「食欲の秋」という言葉が浸透しているように、テレビ局にとって、秋はグルメを扱いやすい季節。情報番組やバラエティーで秋の味覚をピックアップした特集が放送されるほか、ドラマも例外ではないのです。
各局の制作サイドとしても、「ただグルメドラマを作ればいい」というわけではなく、それぞれのスタッフが試行錯誤。「グランメゾン東京」は三つ星レストランを目指すフレンチ、「孤独のグルメ」は週替わりの町グルメ、「ふたりごはん」は多彩な食材を使った家レシピ、「おいしい給食」は1980年代の給食と、それぞれ異なるコンセプトの作品を放送しているのです。
そのコンセプトを決めるポイントは、放送時間帯に合わせた視聴者のターゲット層。たとえば、中高年の男性視聴者が多い日曜午後9時台の「グランメゾン東京」は「高級フレンチ+サクセスストーリー」、一人で視聴することの多い金曜深夜の「孤独のグルメ」は「大衆的な店+一人飯」、さらに遅い深夜帯の「ふたりごはん」は「男性視聴者向けの美少女+女性視聴者向けのレシピ」、日本各地で放送時間が異なる「おいしい給食」は「幅広い大人層にリーチできるノスタルジックな給食+学校の風景」がテーマとして選ばれています。
実際、「グランメゾン東京」には「どの料理も美しくおいしそう」「力を合わせて店を作る過程が面白い」、「孤独のグルメ」には「あの店、食べに行きたい」「やっぱり見ているとおなかが減る」、「ふたりごはん」には「かわいい子とおいしそうな料理って最高」「食べるだけではなく調理のシーンも楽しい」、「おいしい給食」には「本当に懐かしい」「ソフト麺、また食べたいな」などの声が上がっていることから、それぞれのコンセプトが差別化されていることが分かります。
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