暴力を振るう利用者が時折見せる“優しさ”に心痛める介護士の漫画 「大変なお仕事」
介護士の女性が利用者と接して感じたことを描いた漫画が話題に。認知症のためか、言葉遣いが荒くなっている施設利用者の老婦人でしたが…。

介護士の女性が利用者と接して感じたことを描いた漫画「痛む心」がSNS上で話題となっています。認知症のためか、言葉遣いが荒くなっている施設利用者の老婦人。しかし、介護士がうっかりけがをしたときに見せた“別の顔”は…という内容で「大変なお仕事」「精神的にきついですね」「…しみます」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。
いっそ、イヤなだけの人ならば…
この漫画を描いたのは、介護士のまきたきやえ(ペンネーム)さんです。インスタグラムでエッセー漫画を発表しています。
Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。
まきたさん「高校では美術部で、社会人になってからも趣味で絵画会に在籍し、油絵を描いたり、グループ展に参加したりしていました。公募展にもよく出品しており、その中にエッセー漫画もあったので描き始めました。
近年はすっかり遠ざかっておりましたが、断捨離のつもりで、若い頃に描いた絵や漫画を整理しようと思い、インスタグラムを始めました。最初はただ、懐かしく思いながら昔の作品をアップしていたのですが、好きなことなのでまた描いてみたくなり、イラストや身近な日常漫画を描いています」
Q.今回の漫画を描いたきっかけは。
まきたさん「正直、疲れるなあと感じて(笑)いっそ、ずっとイヤな人だと『嫌い』で終わりなので楽なんですが、そうはいかないことがまたつらいです」
Q.介護の仕事をする中で、「本来ではない」姿を見ることは多いのでしょうか。
まきたさん「多いのではないかと思います。ただ、『本来の姿』も正しくは知りません。家族や親しい方のような関係ではありませんので、介護士が見ることができる利用者さんの姿はある一面でしかないのだと思います」
Q.このような方と接するときに、心がけていることはありますか。
まきたさん「『うまくやろうと思わない』『1人でやろうと思わない』。自分では対応できないと思ったら、同僚・上司に助けてもらっています。この漫画のような方も、ベテラン介護士には怒鳴るのに、若い介護士にはあまり怒らなかったりすることもよくあります(笑)結局は人間同士なので相性などもありますね」
Q.仕事でつらいことや腹が立つことがあったら、どのようにストレス解消していますか。
まきたさん「家族や友人と話す、遊ぶ、食べる、怒る、泣く、寝る!です」
Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。
まきたさん「ご自身やご家族が何らかの形で介護に関わった方から、反応を頂きました」
Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。
まきたさん「描きたいものを描きたいときに、描きたいように描くことです。カッコいい意味ではなく、年齢的にいろいろ限界がありまして(笑)今まで地道に続けてきたことなので、これからも続けていきたいです」
(オトナンサー編集部)
なかなか短くまとめられ、面白いです。