遊び方が違う? 障害のある息子が保育園で友達に助けられた漫画反響「温かい気持ちに…」
障害のある息子が保育園のお友達に助けられたエピソードを描いた漫画が話題に。ボードゲームのシートを触って遊ぶ、6歳の息子。その様子を見たある男の子が…。

障害のある息子が保育園のお友達に助けられたエピソードを描いた漫画がSNS上で話題となっています。ボードゲームのシートを触って遊ぶ、6歳の息子。その様子を見たある男の子が「遊び方が違う」と取り上げてしまいますが…という内容で、「かっこいいお友達!」「ありがたいですね」「温かい気持ちになりました」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。
息子が大きく変化した保育園時代
この漫画を描いたのは、会社員のしおり(ペンネーム)さん(43)です。インスタグラムやブログで作品を発表し、「話せない、聞こえない。それはさておき、息子カムは今日もゆく。」(セブン&アイ出版)を出版しています。
Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。
しおりさん「遠くに住む両親に、息子の様子を報告するためにブログを更新していたのですが、漫画で息子のエピソードを描いてみようと思ったのがきっかけです。息子が7歳くらいのとき、睡眠障害で寝ない息子に付き合って夜中に起きていたので、この時間を利用するために描き始めました」
Q.今回の漫画を描いたきっかけは。
しおりさん「さまざまな障害のある息子にとって、保育園時代は大きく変化した時期でした。今になって、あの頃の経験は貴重だったなと実感し、漫画に残すことにしました」
Q.息子さんを理解してくれるお友達の存在をどう感じていますか。
しおりさん「本当にありがたいです。彼らなりにきちんと息子の特性を理解し、自分の思いを伝えることができない息子に代わって意見してくれたことに、感謝しています。遊び方を教えようとした子は体が大きかったので、もしかすると年上の子かもしれません。それでも、間に入ってくれたことにびっくりしました。保育園でこの子たちと関わることで息子が他者に興味を示すようになり、大きく変化しました」
Q.遊び方を教えてくれた男の子は、納得してくれたのでしょうか。
しおりさん「最初は、険悪なムードになるんじゃないかなと心配しましたが、子どもたちが息子の障害や対応の仕方を説明してくれて、すんなり受け入れてくれました。遊び方は違うものの、トラブルもなく、みんなで仲良く過ごすことができました。私は初めて会う子でしたが、元々、子どもたち同士は交流があったようで、大人が口出しせず見守ることも大事だなと思いました」
Q.それぞれの個性や特性を認め合う関係を築くためには、どうすればよいと思いますか。
しおりさん「幼い頃から、障害児と触れ合う経験が大事だと思います。幼稚園、保育園、学校などで、さまざまな特性や障害がある子も受け入れられるよう、専門スタッフを配置してカリキュラムを組めるような体制が必要です。障害がある子もない子も、成長具合や得意不得意は違って当たり前で、尊重されるものだという経験を積むことが大事ではないでしょうか」
Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。
しおりさん「最も多い反応は『大人たちも子どもたちの柔軟さを見習わなければ』という感想でした。私自身もそう思いました。やはり大人は、すんなり受け入れられないことが多いのかもしれません。ただ、受け入れていきたいという気持ちがあるだけでもうれしく思います」
Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。
しおりさん「これからも、のんびりと息子の育児記録として漫画を描き、『こんなふうに成長しましたよ』という報告をしていきたいと思っています。そして、漫画をきっかけにつながった方たちと一緒に何かものづくりがしたいです」
(オトナンサー編集部)
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