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吉良上野介「いじめ説」はウソ!? 「忠臣蔵」刃傷事件めぐる新史料の意義とは

刃傷事件の真相はわかっていない

 今回の史料からは、西本願寺が再三にわたって探りを入れたものの、刃傷事件の原因に辿り着けなかったことが浮かび上がります。大喜さんによると、吉良家を通じて幕府からさまざまな便宜を図ってもらっていた西本願寺が、必死に調べてもわからなかったということは、「真相は幕府の人間以外誰もわからなかった可能性が高いです」。

 つまり、赤穂浪士が討ち入り事件を起こしたのは、吉良上野介にイジメられていた主君の復讐のためだった、というこれまでの常識も、完全に正しいものではない可能性があるといいます。

 それは今後の解明に委ねるとして、大喜さんは今回の発見の意義について、「刃傷事件の真相が明らかになったとは言えませんが、刃傷事件直後の吉良上野介の様子が描かれた史料は極めて珍しい」としています。

 ちなみに、同時に発見された「吉良若狭守義冬書状(きらわかさのかみよしふゆしょじょう)」には上野介の父、吉良義冬が築地本願寺の建立について、築地の埋め立て前から便宜を図っていたことがわかる記述があったそう。西本願寺の出先機関とも言える築地御坊(現・築地本願寺)の建立に、吉良家が何らかの形で関わっていたことは予想されていましたが、はっきりとした記録はなくこちらも“新発見”だったそうです。

(オトナンサー編集部)

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