“25年ぶり”2クール連続は成功するか? 「あなたの番です」プロデューサーが語る思い
日本テレビ系で25年ぶりに2クール連続で放送される新ドラマ「あなたの番です」のプロデューサー・鈴間広枝氏に単独インタビュー。同放送枠や作品にかける思いを聞きました。
「今日から俺は!!」「3年A組-今から皆さんは、人質です-」と立て続けにヒット作を送り出す日本テレビ系日曜ドラマ枠。4月14日からは、“交換殺人”を題材に、1994年の「静かなるドン」以来25年ぶりに2クール連続で放送される新ドラマ「あなたの番です」がスタートします。
企画・原案を秋元康氏が務める同ドラマは、女優の原田知世さんと俳優の田中圭さんのダブル主演作。新婚夫婦が引っ越してきたマンションで、住人たちが遊び半分で書いた「殺したい人」の紙をランダムに引いていくゲームをすると、実際に、名前を書かれた人物たちが次々と殺されていき…というミステリーです。キャストには西野七瀬さんや木村多江さん、生瀬勝久さん、竹中直人さんらが名を連ね、総勢30人以上の登場人物が物語の謎を深めていきます。
オトナンサー編集部では、同ドラマのプロデューサー・鈴間広枝氏に単独インタビューを実施し、同放送枠や作品にかける思いを聞きました。
より中毒性の高い作品にしたい
Q.日曜ドラマ枠に注目が集まっています。
鈴間さん(以下敬称略)「同じゴールデンプライム帯の水曜ドラマや土曜ドラマに比べて、日曜ドラマは2016年に設立された新しい放送枠です。放送時間も午後10時30分からスタートで少し遅いこともあり、『よりとがったこと、攻めたことを』という企画が多いです。
『今日俺』『3A』と好評を頂いてうれしい半面、プレッシャーも大きいですが、とにかくチャレンジングな枠なので、視聴者の皆様に『面白いことをやっている』というイメージを持ち続けていただける作品にしたいです」
Q.日本テレビで25年ぶりの2クール連続ですが、そのきっかけは。
鈴間「もともと、1クールの連ドラとして話を進めていました。ただ、1人の犯人を探すのではなく、マンションに暮らす13人の住人たちが『殺したい人を交換して殺人を犯す』という“交換殺人”を描くので、複雑な展開と多くの謎があり、構想の段階から10話で完結できるのかと頭を抱えていました。
一方で、海外ドラマは1シーズン20話ほどのパッケージが主流です。動画配信サービスも普及し、視聴者の方は20話見続けることに抵抗がないのではと考えました。会社の人間も2クールに積極的で、やってみようという話になりました」
Q.約半年間、視聴者の関心を引き続けるのは難しくありませんか。
鈴間「一話完結のドラマは、たとえ1話見逃しても、また次の話から見られる安心感がありますが、日曜ドラマはチャレンジ枠ですので、手堅く数字を狙うよりも、ストーリーのつながりがあって、より中毒性の高い作品にしたいと思っています。
謎を残しつつ、来週も見たくなるラストシーンはマスト。“ノンストップ・ミステリードラマ”と題しているのは、畳み掛けるようにさまざまな事件が起こって物語が停滞しないという意味です。そして、推理しながら見続けてくださる皆さまがスッキリできるような“謎解きと真実”を描きたいと思っています」
Q.2クール連続のメリットを教えてください。
鈴間「人物の背景を描けることです。マンションには17世帯30人以上の人物が住んでいます。住人たちそれぞれに物語があり、ゲームに参加した人には“殺したい人”を書く理由があります。それを丁寧に描いていきますので、むしろ2クールでも足りないくらいです(笑)
主演の2人だけでなく、個性豊かな登場人物たちにもスポットライトが当たりますので、日本の連ドラではあまり見ない群像劇ではないかと思います。それぞれが主役になるストーリーが複合的に絡み合って作品が完成するのも、2クールだからこそできる展開です」
Q.「今日俺」「3A」は若年層からの支持もありました。
鈴間「『あなたの番です』は、若手キャストがたくさん出演する作品ではありませんが、ストーリーはもちろん、実力のある役者さんたちが演技合戦を繰り広げていて本当に見応えがあるので、若い世代の方も絶対に楽しめると思います。マンションの住人たちが一堂に会する“住民会”では、それぞれが次々と発言したり、言い合いになったりしてテンポがあり、その場にいるような臨場感でドキドキしていただけるはずです」
(オトナンサー編集部)
コメント