大谷健太郎監督、福原遥に太鼓判「頭も良く芯も持っている」
映画「4月の君、スピカ。」の大谷健太郎監督に単独インタビュー。5年ぶりに映画を撮影した感想やキャストたちの印象について聞きました。

映画「4月の君、スピカ。」でメガホンを取った大谷健太郎監督。同作は、高校受験に失敗し、スパルタ進学校に入ってしまった早乙女星(福原遥さん)は授業についていけず、友達ができない日々が続きます。ある日、天文好きの無口な少年・大高深月(鈴木仁さん)、チャラそうなのに学年トップの宇田川泰陽(佐藤大樹さん)と知り合った星は誘われるまま天文学部に入り…杉山美和子さん原作の人気少女コミックの実写化作品です。
オトナンサー編集部では、大谷監督に単独インタビューを実施。5年ぶりに映画を撮影した感想やキャストたちの印象、映画とドラマの現場の違いなどについて聞きました。
特殊な時期だからこその面白さ
Q.5年ぶりに映画を撮った感想はいかがですか。
大谷監督(以下敬称略)「そういう考えはなくて、1年に何本か撮ることもあれば、数年間空くこともあります。映画を撮っていないからといって休んでいたわけではなく、ドラマを撮影していました。杉山さん原作の『花にけだもの』という配信ドラマをやらせていただいて、杉山さんの世界を理解していたし、この話をもらったときも杉山さんの真骨頂という印象を受けました」
Q.原作の感想はいかがでしたか。
大谷「杉山さんの漫画はキャラクターが魅力的に描かれていて、男性2人は勉強ができるし、スポーツもできるし、魅力あるキャラになっていて、恋愛より友情が大事だったりする。高校生だからこそありうる、特殊な時期だからこその面白さを感じました」
Q.福原さん、佐藤さん、鈴木さんの印象をお願いします。
大谷「福原さんに関しては、まいんちゃんを見ていたのでアイドルのイメージがありました。会った瞬間、主演女優をやりたいという目標があり、実現するように頑張るという意気込みを感じました。髪もずっと長かったのですが、役に合わせて切ってもらいました。かわいいだけでなく、頭も良く芯も持っているので、バランス良くナチュラルに表情豊かに演じられる子だと思いました。『3年A組』でも、演技を楽しんでいるなと感じました。彼女の演技をぜひ見てほしいです。
佐藤くんは『FANTASTICS from EXILE TRIBE』というグループを率いて頑張っています。俳優という枠を超えて、自分の夢を叶えたいという思いを背負って頑張っていると思いました。人柄もいい人で、周りに対する配慮が行き届いています。
鈴木くんも、これだけ大きな役は初めてで意気込んでくれていて、自分の中で納得のいく芝居をしたいと考えてやっていましたね。3人にお願いしたのは三角関係という人間関係の話だから、自分の演じる役だけ考えて、自分のセリフだけを覚えても、互いに反応し合う演技にならないので、作品全体での自分の役割と相手の役割を考えながら演じてほしいと言いました」
Q.大谷監督の高校生時代はどんな生徒でしたか。
大谷「僕はモテてまして(笑)告白したことがないです。女性から告白してくれて、断るか逃げるかしていました。だから、深月の『僕ダメだから』という断り方もすごくリアルで共感していました。ロマンチックでスイートだけでなく、とても残酷で苦い、自分自身がフッたりフラレたりするドキドキ感をリアルに描きたいと思いました」
Q.3人のメインキャラクターでは、深月に最も感情移入されたのでしょうか。
大谷「近いのは深月ですが、泰陽みたいな存在がいてくれた方が面白いですね。佐藤くんの魅力あっての存在感だと思います。彼は思った以上に繊細で、いい表情を撮れたのではないかと思います。3人の役者さんの表情の豊かさが見どころだと思います」
Q.映画とドラマの現場はどんなところが違いますか。
大谷「現場の空気は変わらないです。変えているつもりはないです。映画の場合、スクリーンが大きいので細かいところにも気をつけなければなりませんが、一枚の画でどれだけ説得力が持てるかというところです。ドラマは編集で面白がったりできるので、積み上げていくことでできるリズムがあります。映画は一枚の画でどれだけ表現できるか、一枚の画の力で長く見せるところもあります」
映画「4月の君、スピカ。」は4月5日から全国公開。
(オトナンサー編集部)
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