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木曜ドラマに“明暗” フジ「グッド・ドクター」がテレ朝「ハゲタカ」を逆転した理由

「強力原作」をどう扱うのか?

 第1の理由として注目すべきは、原作の存在。今夏は小説や漫画などの原作をベースにした作品が、いつも以上に多いのですが、中でも「ハゲタカ」と「グッド・ドクター」は、放送前から「大型原作」と言われていました。

「ハゲタカ」の原作は真山仁さんの小説で、2007年にNHKが連ドラ化。国内外のテレビ賞を獲得したほか、2009年には映画も公開されました。一方、「グッド・ドクター」の原作は韓国ドラマ。現地で社会現象になった後、日本版に先立って米国でもリメイクされました。

 どちらも文句なしの大型原作なのですが、「ハゲタカ」の連ドラは日本での放送が2回目であり、11年前に放送されたNHK版との比較は避けられません。

 NHK版は、主人公の鷲津政彦を演じた大森南朋さんを筆頭に、柴田恭兵さん、松田龍平さんらの演技が絶賛を集めたほか、後に「龍馬伝」(NHK)や映画「るろうに剣心」などを手がけた大友啓史さんと、後に「あまちゃん」(NHK)や「トットてれび」(NHK)などを手がけた井上剛さんの演出、「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」(フジテレビ系)や「スニッファー 嗅覚捜査官」(NHK)などを手がけた林宏司さんの脚本。

 すべてのクオリティーが高かったため、今回のテレビ朝日版に物足りなさを感じる人がいるようです。

 その点、「グッド・ドクター」は、韓国版や米国版を見た人が少なく、日本で放送されるのは初めてだけに鮮度十分。また、制作サイドが「この原作はすごいからぜひ見てほしい」という形のプロモーションをしなかったことも、その鮮度を高めました。実際、「韓国ドラマが原作ということを知らずに見ている」という視聴者も多いようです。

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木村隆志(きむら・たかし)

コラムニスト、コンサルタント、テレビ解説者

雑誌やウェブに月間30本前後のコラムを寄稿するほか、「週刊フジテレビ批評」などに出演し、各局のスタッフに情報提供も行っている。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアー、人間関係のコンサルタントとしても活動中。著書に「トップ・インタビュアーの『聴き技』84」「話しかけなくていい!会話術」など。

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