オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

TBS「金曜ドラマ」が切り開く“視聴率”だけではないテレビの未来

テレビの未来とは

「妻、小学生になる。」のオーディションも大成功だったようで、毎田さんの演技は高く評価されています。と同時に、彼女の演技をより自然に見せるための、大人の共演陣の演技も見事なものです。演出するスタッフもまたしかり。さらに言えば、ファンタジーには受け手の想像力も欠かせません。

 奇抜な設定を絵空事と否定せず、そこに没入して、ドラマ空間に身も心もゆだねる想像力。この作品には、受け手もまた、作り手の冒険をともに楽しんでいるような関係性が感じられます。

 なお、4月スタートの新作「インビジブル」は、刑事と犯罪コーディネーターが手を組むという超異色のバディーもの。これまた、インパクトや熱を感じさせる作品になることでしょう。

 ドラマに限らず、視聴率だけがヒットの指標ではないとされる時代に、テレビは突入しつつあります。金曜ドラマは、そんな未来を切り開く枠なのです。

(作家・芸能評論家 宝泉薫)

1 2

宝泉薫(ほうせん・かおる)

作家、芸能評論家

1964年岐阜県生まれ。岩手県在住。早大除籍後「よい子の歌謡曲」「週刊明星」「宝島30」「噂の真相」「サイゾー」などに執筆する。近著に「平成の死 追悼は生きる糧」(KKベストセラーズ)、「平成『一発屋』見聞録」(言視舎)、「あのアイドルがなぜヌードに」(文春ムック)など。

コメント