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「聖地X」入江悠監督、科学と宗教は好相性「これから、もっと密接につながっていく」

映画「聖地X」でメガホンを取る入江悠監督に、映画化で気を付けたことなどを聞きました。

入江悠監督
入江悠監督

 映画「聖地X」でメガホンを取る入江悠監督。同作は、夫との生活に嫌気が差した要(川口春奈さん)は日本を飛び出し、兄の輝夫(岡田将生さん)が暮らす韓国の別荘を訪れます。突然の来訪に驚く輝夫ですが、要の夫のだらしなさを聞き、心の傷が癒えるまで一緒に過ごすことを決めます。あるとき、「聖地X」と呼ばれる、奇妙な力の宿った未知の土地に足を踏み入れてしまい…劇団イキウメの同名舞台の映画化です。

 オトナンサー編集部では、入江監督に単独インタビューを実施。映画化で気を付けたことや岡田さん、川口さんとの仕事などについて聞きました。

超常現象的ではなく、科学的に解決する

Q.舞台のどんなところに引かれましたか。

入江監督(以下敬称略)「自分とは別の自分が現れるドッペルゲンガーという現象が起こります。その見せ方と言いますか、正体を明かすところまでやるところに驚きました。謎解きや探偵もののテイストがあり、超常現象的な解決ではなく、科学的に解決するところに衝撃を受けました」

Q.映画化したかったシーンはありましたか。

入江「このシーンを撮りたいというより、ストーリーが本当に面白くて、映画にしたいと思いました。自分では絶対に思いつかないです。イキウメの舞台以外では見ることができないと思ったので、ぜひ映画化させてほしいと思いました」

Q.ドッペルゲンガーに会ってみたいですか。

入江「会ってみたいですね。会うと死んだり、精神に異常をきたすと言われていますが、そりゃそうだよなと思います。映画では情報がキーワードで、自分の中から何かを抜き取られるので、やっぱりおかしくなるだろうなと思います。ドッペルゲンガーが出てくる条件もあって、どうしたらそんな発想ができるのか、そこが面白かったです。既存のドッペルゲンガーものじゃないところに引かれました」

Q.映画化にあたり、気を付けたことを教えてください。

入江「基本的にストーリーを変えていないんですが、舞台を韓国にしたところはプロデューサーのアイデアなんです。それが面白いところで、日本にいるはずの人間が韓国にいるのは、時間的にも空間的にもありえないですよね。その現象をどう解決するかが面白いと思いました。

韓国での生活をリアルに見せることは気を付けました。怪奇現象を解決する手段として祈祷(きとう)師を呼んできたりしますが、韓国ではメジャーな仕事なので、映画に取り入れたいと思っていました」

Q.岡田さん、川口さんとの仕事はいかがでしたか。

入江「楽しかったです。仕事の休みに韓国料理を食べに行ったりしていました。岡田君とはホテルで飲んだりもしました」

Q.撮影方法が日本と違うところはありましたか。

入江「あまりなかった気がします。若いスタッフが多かったです。韓国映画が盛り上がっているから、若い人が入ってきているんだなと思いました」

Q.日本の撮影現場はどうでしょうか。

入江「若い人は減っていて、高齢化しています。労働環境や働き方を変えないと難しいのかなと思います」

Q.超常現象は信じますか。

入江「意識したりはしないですが、心のどこかではあるだろうなと思っています。オカルト的なことは突き詰めていくと、科学と通じるところがあるのかなと思います。科学と宗教は意外と相性がよかったりするので、これからの時代、もっと密接につながっていくと思います」

Q.ロケでお気に入りの場所はありましたか。

入江「輝夫の別荘がすごくよかったです。別荘と食堂が映画の成功を決める場所だと思っていました。11月ごろに撮影していたのですが、岡田君はプールのシーンがあったので寒かったと思います。本当に寒いときに韓国で撮影してみたいです」

 映画「聖地X」は全国公開中。

(オトナンサー編集部)

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