O型は雑 医師なのに無根拠の“血液型と性格”を信じる同僚、でも自分(AB)が褒められればいい?
血液型についての、医師同士の会話を描いた漫画が話題に。同僚の医師たちが「私、O型だから大ざっぱなんだよね」などと話すのを聞いていた男性は…。
血液型についての、医師同士の会話を描いた漫画「血液型と性格」がSNS上で話題となっています。同僚の医師たちが「私、O型だから大ざっぱなんだよね」などと話すのを聞いていた男性。医師が、根拠のない血液型と性格の関係の話で盛り上がるなんてと思っていましたが…という内容です。作者の男性に聞きました。
エビデンスはないけど、盛り上がる話題
この漫画を描いたのは、医師のパンダドクター(ペンネーム)さん(34)です。インスタグラムやブログ「パンダドクター診療所」で医療漫画を描いています。
Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。
パンダドクターさん「物心がつく頃から、絵を描くのが好きで漫画を書いていましたが、医学部に入るために一時は描かなくなっていました。医師として働くうちに、漫画を通して、医療をもっと身近に感じてもらえればと思い、漫画を描いてSNSにアップし始めました」
Q.今回の漫画を描いたきっかけは。
パンダドクターさん「血液型性格診断は日本に深く浸透している一つのジャンルだと思い、漫画にしました。医学的には何の根拠もないですが、一生のうちに誰もが一度は必ず話題にしたことがあるくらい、メジャーなネタではないでしょうか」
Q.ご自身は、血液型性格診断を信じていたことはありますか。
パンダドクターさん「自分の血液型が分かるまでは『性格的にA型なのかなー』と想像していたので、信じていたんだと思います。でも、実際にはAB型だったため、そこから信じなくなりました。人にAB型だと明かすと『そうだと思いました』と言われるので、何かしら、そう感じさせるものがあるのかもしれませんが、個人的には褒め言葉だけ頂戴しています」
Q.医療従事者の中では、血液型性格診断はあまり話題に出ないのでしょうか。
パンダドクターさん「エビデンスはないと分かっていても盛り上がるので、職場で定期的に話題に出ます。そのときは医療従事者という立場ではなく、一人の人間として、軽く話しているという印象です。医療従事者でも、この手の話は好きな方が多いのかなと思います」
Q.エビデンスはないと分かっていても、言われてうれしかったことや悲しかったことはありますか。
パンダドクターさん「私自身、成人してから、自分がAB型だと知りました。母にAB型だったと伝えたら、開口一番、『おかしな子だったから、私はずっとAB型だと思っていた』と言われました…。『どういう意味なんだよ』と少し悲しくなりましたが、母は何でもお見通しということが分かりました」
Q.他の占いなどで、信じているものや、つい見てしまうものはありますか。
パンダドクターさん「あまり占いは信じていませんが、スピリチュアルな神社などで引くおみくじは少し信じてしまうかもしれません。そのおみくじでさえも、気に食わない結果の場合はすぐに処分してしまいますが…。自分に都合のいいことだけを信じるのが、いいメンタルを保つ秘訣(ひけつ)かもしれません」
Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。
パンダドクターさん「血液型性格診断にエビデンスがないことを驚く意見や、頭では分かっていても信じてしまうという意見などを多く頂きました。血液型によって罹患しやすい疾患は医学的にあるので、漫画を通じて、医療を少しでも身近に感じていただければうれしいです」
Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。
パンダドクターさん「漫画は趣味で描いているので、今のペースでやっていければと思っています。医療以外にも資格を持っているので、それに関する漫画を発信してみたい気持ちもあります。もう少し仕事に余裕が出てきたら、昔に描きためていた短編漫画みたいなものをきちんと描き直して、SNSなどで公開していければといいなと考えています」
(オトナンサー編集部)
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