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「クロール」サム・ライミPに聞く、アレクサンドル・アジャ監督との仕事&脚本の感想

映画「クロール-凶暴領域-」プロデューサーのサム・ライミさん、クレイグ・フローレスさんに、アレクサンドル・アジャ監督との仕事や脚本の感想などを聞きました。

(左から)クレイグ・フローレスさん、サム・ライミさん
(左から)クレイグ・フローレスさん、サム・ライミさん

 映画「クロール-凶暴領域-」でプロデューサーを務めたサム・ライミさんとクレイグ・フローレスさん。同作は、大学競泳選手のヘイリー(カヤ・スコデラリオさん)は、巨大ハリケーンに襲われ、連絡が取れなくなった父デイブ(バリー・ペッパーさん)を捜しに実家へ向かいます。実家の地下でデイブを発見したヘイリーは、背後からワニに襲われ…ワニの巣窟となった家に閉じ込められた親子のサバイバルスリラーです。

 オトナンサー編集部では、ライミさん、フローレスさんに電話インタビューを実施。アレクサンドル・アジャ監督との仕事や脚本の感想などを聞きました。

脚本を読んで、独創性に興奮

Q.アジャ監督との仕事の感想をお願いします。

ライミさん(以下敬称略)「非常に楽しい体験でした。絵に描いたような紳士で、知的で心優しくて、彼と一緒にいるのは仕事を抜きにしても好きです。彼自身のビジョンがしっかりしていて、多くのスタッフの声に耳を傾ける余裕もあります。ネガティブな意見に対しても、きちんと考えて答えが出せるくらいビジョンがしっかりしています」

フローレスさん(同)「とにかく素晴らしい充実感のある体験でした。熱心で、ストーリーテリング、視覚効果、役者周りの演技指導までディテールにこだわって完璧に監督業をこなしていました。それに加え、観客を映画の世界に引き込むのがとてもうまい監督です」

Q.脚本を読んだときの感想は。

サム「興奮しました。非常に独創的で、これまでなかったアイデアだと思いました。独創的でありながら、ワニとハリケーンは現実に存在し、ありえるシチュエーションであるというところが気に入りました。ハリケーンが来て家が冠水し、水が引いた後、陸に打ち上げられたワニがいることは本当にあります。実際にありえる問題をサスペンスとして組み込んで成立させています」

フローレス「脚本を読んですぐに引き込まれました。ありそうでなかった組み合わせで、このアイデアで興奮しました。水位は上がる、ハリケーンは近づいてくる、ワニは増えていくシチュエーションが素晴らしいです」

Q.ワニとハリケーン、どちらが脅威に感じますか。

サム「ハリケーンに遭遇したことがないので、どれだけ怖いか分からないのですが、ワニは確実に怖いですね。ハリケーンは興奮して喜ぶタイプかもしれません。ハリケーンに巻き込まれても、泳ぎが得意なので泳いで逃げ切れる自信はあります(笑)ワニには太刀打ちできないと思うので怖いです」

フローレス「中米で1度、ハリケーンに遭遇したことがあります。1泊2日の予定でバチェラーパーティーに行ったら、ハリケーンで1週間足止めとなりました(笑)ハリケーンの仕組みには興味を引かれますが、ワニなどの爬虫(はちゅう)類は苦手です」

Q.密室劇ですが、サスペンス映画などで密室が舞台になりやすい理由は何でしょうか。

ライミ「場所が密室だと閉鎖的なので、ストーリーにフォーカスできること、緊迫感で盛り上げられることですね。予算面でも、安上がりで撮影することができます。いいプロットがあれば、プロデューサーやスタジオを取り付けやすいです。そんな理由で、ホラーやサスペンスにとても向いていると思います。逆に広い空間は向いていません。自分は狭ければ狭いほどいいと思っています」

Q.カヤ・スコデラリオさん起用の決め手は。

フローレス「強さを感じる若い女性が基準で、親しみやすさも大事でした。男女両方が共感できます。特に体が恐怖で動かなくなったときは、表情がクローズアップされるので、目に力がある人の方が分かりやすく表現できます。他の映画でアクションができることを知っているし、追い詰められたときの緊迫感の表現もうまいことが分かっていました。

起用する前から、チャレンジ精神が旺盛で、どんな難題を出そうが全力で取り組む姿勢が素晴らしいです」

 映画「クロール-凶暴領域-」は公開中。

(オトナンサー編集部)

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