オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

吉本問題で浮き彫りになった、漫才師ナイツの“お笑い地肩”の強さ

闇営業問題に端を発した吉本興業の一連の問題によりお笑い界に激震が走っていますが、異なる角度から、お笑いコンビ・ナイツに注目が集まっています。

ナイツ(2019年7月、時事)
ナイツ(2019年7月、時事)

 吉本興業の一連の問題に端を発し、「お笑いとは」「お笑い芸人とは」を考えさせられる昨今。若手からベテラン、さらには、引退した大物まで総登場する大喜劇(悲劇?)が続く中、別角度から「これぞお笑い芸人」と感服させてくれた人物がいます。関東漫才界の雄・ナイツの塙宣之さんと土屋伸之さんです。

動画削除の背景に“もう一つの”理由

 まずは7月23日、京セラドームで行われたプロ野球巨人対ヤクルト戦で「吉本いじり」の漫才を披露。この前日にあった吉本興業・岡本社長による「ぐだぐだ会見」を踏まえながら、闇営業問題で揺れる同社を痛烈に揶揄(やゆ)してみせました。

 この様子は、翌日のワイドショーなどが映像付きで紹介。「ナイツさすが!」と話題になると、「ナイツの本気はもっとすごい」として、22日のライブで披露された「吉本興業 ジャニーズ」と題した漫才動画が一気に拡散。マセキ芸能公式サイトにアップされていた動画の再生回数は100万回を突破しました。ただ、動画はその後すぐに削除されたため、「圧力があったのでは」と臆測が流れる展開に発展したのです。

 ナイツはこの圧力疑惑について、27日放送の「土曜ワイドラジオTOKYO ナイツのちゃきちゃき大放送」(TBSラジオ)で言及。「頭おかしいのか、マセキ芸能社!」とツッコミを入れつつ、圧力ではなく、100万回も再生されると「今後の独演会でも披露したいのにウケなくなってしまう」という理由で、自ら削除を指示したことを明かしました。

 さて、ここまでの内容は、スポーツ紙やネットメディアなどでも報じられているため、ご存じの方も多いはず。筆者が注目したいのは、ナイツがラジオで語ったもう一つの削除理由について。こちらは、ほとんどのメディアがスルーしていました。

塙さん「生鮮食品と加工食品の違いです。何回見ても笑える言い間違いのネタとかは別に(拡散されても)いいんです。旬で、この時期にしかできないネタは、お刺し身と一緒で腐るから。それを(ネット上に)上げないでほしい」

土屋さん「ドームのお客さんに向けてやったネタだからね。それをテレビとかで流されると、間とかが違うんだよね」

塙さん「そりゃそうだよ。テンポが悪いと思われたら嫌じゃないですか」

「100万回も再生されたらウケなくなってしまう」というのは、ある意味で営業的側面。対して上記のやりとりは漫才の技術的な観点から、「ネットで何回も見てほしいネタではない」と語ったわけです。

1 2

オグマナオト

ライター/構成作家

雑誌「野球太郎」「週刊プレイボーイ」、WEB「エキレビ!」「サイゾー」などを中心に、スポーツネタ、コラム、人物インタビューを寄稿。ラジオやテレビのスポーツ番組にも構成作家として参加している。主な著書に「ざっくり甲子園100年100ネタ」「甲子園レジェンドランキング」「爆笑!感動!スポーツ伝説超百科」「福島のおきて」など。

コメント