「牛乳は栄養バランスが優れている」は間違い!? 足りない栄養素を補う“おすすめの食べ合わせ”とは【管理栄養士に聞く】
牛乳にはあまり含まれている栄養素をうまく摂取するには、どうすればよいのでしょうか。管理栄養士に聞きました。

牛乳にはさまざまな栄養素が含まれているといわれており、毎日飲んでいる人は多いのではないでしょうか。実は牛乳だけでは体に必要な栄養素を摂取できないといわれています。
牛乳に不足している栄養素を補い、栄養を効率よく摂取するには、どうすればよいのでしょうか。たいや内科クリニック(愛知県豊田市)に所属する管理栄養士の林安津美さんに聞きました。
牛乳に不足している栄養素とは?
Q.そもそも、牛乳にはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。牛乳を飲むメリットも含めて、教えてください。
林さん「牛乳は、カルシウムだけでなく、たんぱく質やビタミン類も一緒にとれる食品です。脂質や、乳糖を中心とする炭水化物も含まれており、エネルギーの補給にも役立ちます。主な栄養素とその働きは、次の通りです」
・カルシウム
骨や歯の材料となり、筋肉の収縮や神経の働きにも関わります。
・たんぱく質
筋肉や皮膚、臓器などをつくる材料になります。
・ビタミンB2
糖質や脂質、たんぱく質からエネルギーをつくる過程を助け、皮膚や粘膜の健康を支えます。
・ビタミンB12
赤血球の形成や、神経の正常な働きに関わります。
・ビタミンA
視覚の維持や、皮膚・粘膜の健康に関わります。
・脂質・炭水化物
体を動かすためのエネルギー源になります。
このほか、牛乳にはカリウムやリンなども含まれています。
牛乳を飲むメリットは、調理の手間をかけずに、カルシウムとたんぱく質などを補えることです。コップ1杯(200ミリリットル)の普通牛乳には、目安としてカルシウム約227ミリグラム、たんぱく質約6.8グラムが含まれ、エネルギーは約126キロカロリーです。日々の食事に取り入れることで、骨や筋肉の健康を支える栄養素の補給につながります。
ただし、牛乳だけですべての栄養素を補えるわけではありません。鉄や食物繊維はほとんど含まれないため、肉や魚、大豆製品、野菜などと組み合わせ、食事全体のバランスを整えることが大切です。
Q.「牛乳」は飲む時間帯によって効能が異なると聞きますが、本当なのでしょうか。例えば、睡眠の質を上げたい場合、夜にホットミルクを飲むとよいのでしょうか。
林さん「牛乳には、たんぱく質やカルシウム、必須アミノ酸のトリプトファンが含まれています。トリプトファンは、セロトニンや睡眠・覚醒のリズムに関わるメラトニンの材料になります。
ただし、牛乳を飲むだけで睡眠の質が上がるとは言い切れず『朝より夜』『冷たい牛乳よりホットミルク』がよいと断定できる十分な根拠もありません。ホットミルクは、飲んでほっとする方が、寝る前にくつろぐ習慣として取り入れるとよいでしょう。睡眠のためには、規則正しく起床し、朝の光を浴び、夜は強い光を控えることが大切です。
また、牛乳のたんぱく質は筋肉の維持に、カルシウムは骨や歯の健康維持に役立ちます。カルシウムは筋肉の収縮や神経の情報伝達にも必要です。牛乳は飲む時間帯にこだわらず、無理なく続けられる時間に取り入れ、バランスのよい食事や歩行、筋力トレーニングと組み合わせることが、筋肉や骨の健康を支える基本です」
Q.牛乳と一緒に摂取するとお勧めの飲食物について、教えてください。
林さん「牛乳と組み合わせるなら、牛乳に少ない食物繊維やビタミンCを補える食品がおすすめです。カルシウムの利用を支えるビタミンDを含む食品も、日々の食事に取り入れるとよいでしょう」
(1)オートミール
牛乳にはほとんど含まれない食物繊維や鉄を補えます。牛乳で煮てミルクがゆにすると、朝食にも取り入れやすい組み合わせです。砂糖の多いシリアルを使う場合は、甘さや量に気を付けましょう。
(2)キウイフルーツなどの果物
キウイフルーツは、牛乳に少ないビタミンCや食物繊維を補えます。牛乳と一緒に朝食や間食に取り入れると、栄養の幅が広がります。
(3)サケなどのビタミンDを含む魚
ビタミンDは、腸でのカルシウム吸収を助けます。例えば、サケのミルクスープにすると、カルシウムとビタミンDを一緒に取れます。ただし、同時に食べることで必ず吸収率が上がるという意味ではなく、日々の食事でビタミンDを不足させないことが大切です。
手軽な例としては、朝食に「牛乳で作ったオートミールとキウイフルーツ」、夕食に「サケと野菜のミルクスープ」などがおすすめです。牛乳に何かを加えて特別な効能を期待するより、食事全体で不足しがちな栄養素を補うと考えるとよいでしょう。
(オトナンサー編集部)






























コメント