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脚本に賛否も、視聴率が落ちない「半分、青い。」 そのワケは“男優”のチョイス

「愛すべき脱力系」という共通点

「半分、青い。」のキャスティング基準は、「現在の視聴者ニーズを捉えたもの」とも言えます。たとえば、昨年から今年にかけて人気が爆発した高橋一生さんや田中圭さんは、その象徴たる存在。「アイドルが俳優としても人気」ではなく、「実力・実績のある俳優がアイドルのような人気」を集めているのが現在の視聴者ニーズなのです。

 7月4日の放送を最後に豊川悦司さんが出なくなっても、異なる実力・実績を持つ斎藤工さんや間宮祥太朗さんらを出演させることで、見事にカバー。さらに振り返ると、中村倫也さんが出なくなった時も、豊川悦司さんと志尊淳さんがカバーしていました。やはり、「半分、青い。」はこれまでの朝ドラ以上に、男優たちの貢献度が高い作品なのです。

 その男優たちが演じるキャラクターで気づかされるのは、タイプこそ幅広いものの、“愛すべき脱力系”という共通点があること。幼なじみ・律(佐藤健さん)のような草食系から、結婚相手・涼次(間宮祥太朗さん)のようなダメ男まで、「鈴愛の人生を振り回す男性が、どこか残念なところを持つ脱力系だから、視聴者は気楽に見られる」という面は大きいでしょう。

「実力・実績重視の男優が脱力系のキャラクターを演じると視聴者がギャップを感じやすい」のもポイントの一つ。豊川悦司さんの漫画家や、中村倫也さんのゆるふわ大学生は、その最たるところでした。

 9月29日の最終回まで残り2カ月半。まだまだ実力・実績のある男優と、愛すべき脱力系のキャラが楽しませてくれるでしょう。

(コラムニスト、テレビ解説者 木村隆志)

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木村隆志(きむら・たかし)

コラムニスト、テレビ解説者

雑誌やウェブに月間20本強のコラムを提供するほか、「週刊フジテレビ批評」などに出演し、各局のスタッフに情報提供も行っている。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもあり、新番組と連ドラはすべて視聴するなど1日のテレビ視聴は20時間超(同時含む)。著書に「トップ・インタビュアーの『聴き技』84」「話しかけなくていい!会話術」など。

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