GW前に大掃除をするときのコツは？　どの場所に汚れがたまっている？　専門家が解説！

「大掃除」と聞くと、12月にするもの、という印象が強いですが、「年末に大掃除をしなかったので部屋が汚れているが、ゴールデンウイークはゆっくり過ごしたい」「遠方に住む家族や親戚が遊びに来る」などの理由から、ゴールデンウイーク前にする人もいるようです。この時季に大掃除をするときは、どの場所を重点的に掃除したらよいのでしょうか。ハウスクリーニングアドバイザーの有賀照枝さんに聞きました。

エアコンや窓周辺をチェック

Q.そもそも、ゴールデンウイーク前に大掃除をするメリットについて、教えてください。

有賀さん「ゴールデンウイーク前に大掃除をする一番のメリットは、暖かい分、体を動かしやすいので掃除がはかどりやすいことです。普段の掃除以上に体を動かしたり水に触れたりする機会が多い大掃除は、年末よりも気温が高いゴールデンウイーク前に行った方が気持ちの上でも楽なのではないでしょうか。

ゴールデンウイーク前は空気が比較的乾いているので、冬にため込んだ家中の湿気を追い出すように換気をするのにも最適で、梅雨に備えた掃除という点も考慮しながら掃除ができると理想的です」

Q.冬場、家の中は、ほこりや汚れがたまりやすいのでしょうか。また、ゴールデンウイーク前は、どういった場所にほこりや汚れがたまっていることが多いのでしょうか。

有賀さん「年末に大掃除をしていたとしても、1～2月の冬の時季は、空気が乾燥していてほこりが出やすく、また、寒暖差で結露が発生しやすいため、梅雨期ほどではないものの、カビが発生することもあります。エアコンや窓周辺に、特に注意が必要です。

エアコンは、室内の空気を取り込んで暖める仕組みですが、その際、室内に多く舞っているほこりも一緒に吸い込んでしまいます。そのため、フィルターやエアコンの内部にほこりがたまってしまったり、場合によってはカビが発生してしまったりするケースもあるのです。そのまま放置するとさらにカビが広がり、健康面にもあまりよい影響を与えないので、専門業者に依頼するなどしてエアコン内部までしっかり掃除をしましょう。

エアコン以外にも暖房機器のフィルターにほこり、加湿器のトレーや加湿フィルターにはカルキ（石灰質）の汚れがたまっていることが多いです。また、窓の結露によりカビが発生することがあり、結露でぬれたカーテンに黒いカビ汚れが付いていることも、思いのほか多いです」

Q.では、ゴールデンウイーク前に大掃除をするときのコツについて、教えてください。

有賀さん「まずは、夏にかけて開け閉めが多くなる窓周辺の掃除をおすすめします。冬の結露による汚れのほか、春先からの花粉や黄砂などが付着してかなり汚れているので、窓や網を中心に掃除をし、サッシのレールも古い歯ブラシなどで汚れを払いましょう。

また、カーテンにもほこりが付いているので、洗濯機で洗ってください。洗濯後、ぬれた状態でカーテンレールに戻しておけば、しわも伸びてすっきりきれいに乾かせます。カーテンの洗濯前は、カーテンレール上のほこりも忘れずに落としておきましょう。

梅雨の季節に向けて、カビ対策もしておきたいところです。天気のよいからりと晴れた日にクローゼットやシンク下などの扉を全部開放して、湿気を飛ばすようにしましょう。可能であれば、中に入っている物を全部出してほこりを取り除いたり、拭き掃除をしたりすると理想的です。

また、先述のように、エアコンのフィルターやエアコン内部の掃除のほか、冷蔵庫内の部品を全部外してアルコール消毒を行い、カビが発生しやすい浴室などの水回りを中心に掃除をしてください。特に浴室の天井や換気扇周りを中心にカビを取りましょう。カビを取り除いた後は防カビ剤などを使うと、梅雨の時期もカビが発生しにくい環境づくりを目指しやすくなります」

Q.ちなみに、ゴールデンウイーク前と年末とで、掃除方法に違いはあるのでしょうか。

有賀さん「ゴールデンウイーク前と年末とでは、掃除方法に大きな違いはありません。ただ、気象条件が全く違うので、ゴールデンウイーク前の気象特性を生かせるような方法で掃除をすると、作業もはかどり効率的です。

例えば、キッチンの換気扇はゴールデンウイーク前、年末どちらで掃除をしても構いませんが、気温が高い方が油汚れも緩みやすいので、ゴールデンウイーク前に掃除をした方が効率的です」

Q.ゴールデンウイーク前に大掃除をした場合、年末に大掃除をしなくても問題はないのでしょうか。それとも、ゴールデンウイーク前に大掃除をしたかどうかにかかわらず、年末は大掃除をした方がよいのでしょうか。

有賀さん「個人的な意見ですが、可能であれば、大掃除は年に何回行ってもいいと思っています。家を掃除することは、ご自身の家や暮らしを大切にすることにもつながるからです。

仕事や家庭の事情などで『大掃除はゴールデンウイーク前にしかできない』という場合もあると思うので、ゴールデンウイーク前に大掃除を済ませているのであれば、年末にもあえて大掃除をしなくても問題はないでしょう。

ただ、その場合も、年末に掃除をすることはぜひおすすめしたいです。日本では、古くから1年の汚れを払い清める『すす払い』という大掃除のルーツにもなっている年中行事があります。『神棚だけ』『キッチンだけ』『玄関先だけ』というように、掃除場所を限定しても構いませんので、新年を新たな心持ちで迎えるための区切り行事として、ぜひ掃除をおすすめしたいと思います」

（オトナンサー編集部）