女性に対する社会のあれこれ、それってただの“むちゃぶり”です 「男性からは見えない光景かもしれません」
女性の立場から感じることを描いた漫画が話題に。周りからさまざまな言葉を掛けられる女性たち。そんな社会に一言物申したい…。

女性の立場から感じることを描いた漫画「女性活躍?女性無茶ぶり?」が、SNS上で2000を超える「いいね」を集め話題となっています。周りからさまざまな言葉を掛けられる女性たち。そんな社会に一言物申したい…という内容で「分かります」「女性は求められることが多すぎますよね」「男性からは見えない光景かもしれません」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。
現状を変えられることに気付いてもらいたい
この漫画を描いたのは、会社員の笛美 Fuemi(ペンネーム)さん(30代)です。自身が感じている社会の問題などを漫画にして、インスタグラムで発表しています。これまでに書籍「ぜんぶ運命だったんかい おじさん社会と女子の一生」(亜紀書房)などを手掛けています。
Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。
笛美 Fuemiさん「2020年からフェミニズムについて身近に感じてもらうために、インスタグラムで発信し始めました。もともとツイッターで発信していたのですが、言葉だけだときつい印象になってしまい、本当に届けたい人に届いていないのではないかと思うようになり、インスタグラムも始めました」
Q.今回の漫画を描いたきっかけは。
笛美 Fuemiさん「SNSを見ていると、ワンオペ育児に悩んでいる女性が多いです。ただ、それが自分や夫婦の問題だと思われていて、ジェンダーの問題だと知られていないのではないか、と考えました。『女性の活躍と言っても、女性になんでもやらせればいいというものじゃない』という言葉を、漫画にしたら伝わるのではないかと思って描きました。実は私たちの苦しみは、社会的な不均衡にあると気付いてもらいたいです」
Q.漫画のような言葉を実際に言われたことはありますか。
笛美 Fuemiさん「漫画に描いたまんまのセリフを言われたことはありませんが、『職場の華』や『女の子が入れたお茶はおいしい』『早く子どもを産むべき』など、似たような内容の言葉を言われたことはあります。男性は同じことを求められないのに、なんでだろうと思いつつ、仕方ないのだと受け入れていました」
Q.逆に、もっと言ってほしい言葉はありますか。
笛美 Fuemiさん「特に何か言ってほしいということではなく、この投稿に出てきたようなことを言わずに接してほしいです。もし『女なら~すべき』などの発言をしている人を見かけたら、『まだそんなこと言ってるんですか?』など、できる範囲でたしなめてもらえると非常に助かります。本人は悪気なく言っていることが多いので、責めたいわけではないんです」
Q.これからどういう社会に変わっていってほしいですか。
笛美 Fuemiさん「まずは、ワンオペ育児やセクハラがジェンダーの問題だという認識が広まってほしいです。今のように女性に負担がかかっている状況は、古い考え方から離れられない政治のツケが回ってきているのだと思います。女性の政治家やジェンダー問題に取り組む政治家が増えてくれば、この現状が変えられることに気付いてもらいたいです」
Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。
笛美 Fuemiさん「『自分が言いたかったことを代弁してくれた』という感想を寄せてくれた人や、自分の経験をシェアしてくれた人、周りの男性からの悪気ない無理解を伝えてくれた人もいました。海外の方からも励ましの意見が寄せられたのには驚きました」
Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。
笛美 Fuemiさん「さまざまな角度からフェミニズムトピックを取り上げて、生きづらさを感じている人に届けたいです。構造的に女性の給料が低いという『男女の賃金格差』なども取り上げたいと思っています。また女性差別の問題に取り組んでいる方たちの紹介や、TikTokでもフェミニズムについて発信してみたいです」
(オトナンサー編集部)
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