佐々木希、濱田岳、西島秀俊…朝ドラ&テレ東ドラマ“二刀流”ブームの謎
NHKの夜ドラにも注目
ところで、テレ東ドラマと攻めの姿勢が似ているのが、NHKの夜ドラです。オタク系腐女子やコミュ障、LGBTといった題材にいち早く着目して、話題作を送り出してきました。
例えば、昨年11月から今年の1月まで放送された「生きて、ふたたび 保護司・深谷善輔」(NHKBSプレミアム)は、犯罪者の社会復帰がテーマ。このドラマと朝ドラ「カムカム」でも、実は興味深い二刀流状態が起きました。
村田雄浩さんと濱田マリさんが、どちらにも夫婦役で出演していたのです。「カムカム」ではクリーニング店、「生きて、ふたたび」ではレストランを営んでいて、ともに他人だった女性の面倒を見る役どころです。
つまり、両作の制作者がたまたま、「似合いの夫婦」としてこの2人をキャスティングしたわけです。オファーを受ける側は、時期が重なることに気付いたかもしれませんが、同じNHKのドラマで、なおかつ、朝ドラと夜ドラとでは注目度も違うため、気軽に応じたとも想像できます。
そういう意味で、テレ東も他の民放局よりは、気軽に掛け持ちができるはず。もしかしたら、朝ドラとテレ東ドラマの間でも、そのうち、こんな丸かぶり的な“二刀流”が見られるかもしれません。
(作家・芸能評論家 宝泉薫)
コメント