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異例のゾンビドラマに挑む意欲作「君セカ」、不穏なスタートを招いた4つの理由

竹内涼真さん、中条あやみさんをどう輝かせるか

 では、「海外ドラマとの比較」「Huluと連動させた2部構成」「コロナ禍での感染症」「第1話が震災の日だった」という4つの逆風をどうはねのけていけばいいのでしょうか。

「海外ドラマとの比較」は、日本オリジナルのディテールを重ねていけば徐々にポジティブな声が増えていくでしょう。ここまでの2話では「走るゾンビ」が話題になりましたが、これと同等以上のインパクトを盛り込み、その中に怖さを感じさせていきたいところです。

 次に「Huluと連動させた2部構成」は「地上波のSeason1だけで完結する」「HuluのSeason2を見ない人も楽しめる」ことをもっとはっきりアナウンスすべきでしょう。さらに、「コロナ禍での感染症」「第1話が震災の日だった」は、いかに脚本・演出で希望や絆を感じさせていくかが鍵を握っています。

 肯定的な声の中には、竹内涼真さんと中条あやみさんを目当てに見ている人も多いだけに、2人の恋模様だけでなく、ゾンビとのアクションを含めて、過酷なサバイバルや活躍のシーンを増やすことが重要。2人が魅力的なキャラクターになるほど肯定的な声は増え、「お金を払ってでもHuluのSeason2を見たい」という人が増えていくでしょう。

(コラムニスト、テレビ解説者 木村隆志)

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木村隆志(きむら・たかし)

コラムニスト、コンサルタント、テレビ解説者

雑誌やウェブに月間30本前後のコラムを寄稿するほか、「週刊フジテレビ批評」などに出演し、各局のスタッフに情報提供も行っている。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアー、人間関係のコンサルタントとしても活動中。著書に「トップ・インタビュアーの『聴き技』84」「話しかけなくていい!会話術」など。

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