放送前から一転、「凪のお暇」キャスティングに称賛 P語る、凪への「まなざしの温かさ」
最高満足度を記録するなど好評の連続ドラマ「凪のお暇」のプロデューサー、中井芳彦さんに、キャスティングや作品へのこだわりを聞きました。

コナリミサト氏の同名漫画を原作に、大島凪(黒木華さん)の“人生再スタート”を描くTBS系連続ドラマ「凪のお暇(なぎのおいとま)」(毎週金曜 後10:00)。
ドラマスタート前に一部の原作ファンから、「キャストのイメージが合わない」という意見が上がりましたが、放送開始後には絶妙なキャスティングが話題に。「視聴者ドラマ満足度調査」(オリコン)では第3話(8月2日放送)時点で、今期の夏ドラマを含む2019年放送のドラマで最高満足度を記録しました。
プロデューサーの中井芳彦さんに、キャスティングや作品へのこだわりを聞きました。
「この作品は黒木さんしかいない」
そもそも、ドラマ「凪のお暇」をスタートさせるきっかけとなったのは、黒木さんとの出会いでした。
「黒木さんの舞台を見る機会があって、とてもすてきな演技で感銘を受けました。その後、ドラマ『重版出来』(2016年、TBS系)の編成担当をした際、黒木さんの普段の佇まいやお芝居をしている姿を拝見して、また、黒木さんの主演ドラマを見たいと思いました」(中井さん)
黒木さんのイメージに合った作品を探すと同時に、偶然見つけたのが同作だったそうで、「『凪のお暇』が面白くて、映像化したいと思う一方で、漫画を読んでいる時にはもう、この作品は黒木さんしかいないと感じました。2つの願望がバチッとハマったんです。一生懸命に生きている凪の姿がかわいらしくて、黒木さんにピッタリだと。派手なことが起こるストーリー展開ではありませんが、黒木さんが凪を演じることで、より作品の魅力が出ると考えました」。
場の空気を読み過ぎるあまり、過呼吸で倒れてしまった凪は、人生をリセットすべく、仕事も恋人も捨てて郊外のアパートで一人暮らしを始めますが、その周辺には個性豊かなキャラクターたちが登場します。
中村倫也さん演じる隣人・安良城ゴンは、原作では、長髪でひげを蓄えた外見ですが、キャスティングで重視したのは、「つかみどころのないけど悩みを持っている雰囲気」。「『半分、青い。』で初めてお見かけして、僕の中で中村さんとゴンがバチッとハマった」といいます。
一方、凪が倒れる原因になったモラハラ気味の元カレ・我聞慎二を演じるのは、高橋一生さん。原作は28歳、高橋さんの実年齢は38歳と実に10歳差がありますが、「年齢のことは気にしていませんでした。恋愛要素をベースにした作品であれば、年齢が近い方がいいのかもしれませんが、この作品で描きたいところは、そこだけではありませんから」。
凪にフラれても、彼女のことを忘れられない慎二。一方の凪は、いつも優しく接してくれるゴンに次第に引かれていきます。凪と慎二、ゴンの三角関係が描かれ、SNS上でも、「慎二派」「ゴン派」に分かれて議論が盛り上がっています。
しかし、中井さんによると、最も描きたいのは「凪の成長物語」。「“お暇”を始めてからの凪の変化と成長を丁寧に表現したいんです」。
そこで、キャスティングにおいては、主人公・凪に対する「まなざしの温かさ」を大切にしているといいます。その中で、慎二行きつけのスナックのママ役で悩んだそうですが、原作では女性として描かれているママを、武田真治さんが演じることになりました。
「最終的には、凪と親しい間柄になる重要なキャラクターなので、ずっと探していました。そんな中、武田さんが出演するドッキリ番組を見ていた時に、大げさな設定のドッキリにもかかわらず、優しい目で受け答えをしていて、その感じがママに合っていると思って。武田さんに演じてもらえて生々しさもなくなりました」
原作は現在も連載中で、ドラマ終盤にはオリジナルのストーリーが繰り広げられます。「7話からは完全オリジナルの展開です。三角関係の矢印の向きも少しずつ変わっていくので注目してください」
(オトナンサー編集部)
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