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「ラジエーションハウス」新作ドラマのトップ確定へ! 月9“堅実路線”の是非

本塁打を狙って本塁打を打つ姿勢

 しかし、堅実路線にはメリットばかりではなく、デメリットも存在します。

 ここ数年で定着しつつあった「月9は低視聴率」「打ち切り間近」というイメージこそ払拭できたものの、新たに生まれているのが、「テレビ朝日のマネ」「若手俳優を使っているだけで結局中高年向け」というイメージ。7月スタートの「監察医 朝顔」も明らかに堅実路線であり、ますますこのイメージが増していくことが予想されています。

 もう一つ、堅実路線のデメリットとして挙げておきたいのは、単打狙いの平均的な作品ばかりで本塁打が生まれにくいこと。そこそこの世帯視聴率は取れても、2011年の「家政婦のミタ」(日本テレビ系)、2013年の「半沢直樹」(TBS系)、2016年の「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS系)、2018年の「おっさんずラブ」(テレビ朝日系)。さらに、SNSの盛り上がりで言えば、昨秋の「今日から俺は!!」(日本テレビ系)、今冬の「3年A組 -今日から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系)のような、ドラマフリーク以外の人々を巻き込んだ本塁打級の作品が誕生しないのです。

 月9はフジテレビの看板枠であり、ドラマのみならず局全体の勢いを作るべき存在。月9が国民的ヒットを生み出すことが「フジテレビ復活」というイメージに直結するだけに、堅実路線ばかりでは物足りなさが残ります。

 録画やネットでの視聴が普及し、世帯視聴率が絶対視されなくなっているだけに、フジテレビが今後、どこまで堅実路線を続けていくのかは分かりません。堅実路線は必ずしも悪いことではないものの、「やはり月9には『本塁打を狙って本塁打を打つ』という1990年代のような攻めの姿勢が見たい」と思う往年のファンに応える姿も見せてほしいところです。

(コラムニスト、テレビ解説者 木村隆志)

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木村隆志(きむら・たかし)

コラムニスト、コンサルタント、テレビ解説者

雑誌やウェブに月間30本前後のコラムを寄稿するほか、「週刊フジテレビ批評」などに出演し、各局のスタッフに情報提供も行っている。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアー、人間関係のコンサルタントとしても活動中。著書に「トップ・インタビュアーの『聴き技』84」「話しかけなくていい!会話術」など。

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