必須アミノ酸、DHA…栄養豊富なサケ、どんな食べ方がお勧め? 管理栄養士が教える“相性抜群の食材”
サケにはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。管理栄養士に聞きました。

サケは年間を通じてスーパーや鮮魚店で購入できる身近な魚ですが、「秋鮭」のように秋に旬を迎えるものもあります。サケを食べると、実際にどのような健康効果が期待できるのでしょうか。サケの栄養素や摂取量の目安、サケの栄養素を効率的に摂取する方法などについて、管理栄養士の松田加奈さんに聞きました。
「必須アミノ酸」がバランスよく含まれているのが特徴
Q.サケにはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。
松田さん「サケには、体内で合成できず、どんな人でも食事から取り入れる必要のある栄養素である『必須アミノ酸』が含まれています。必須アミノ酸はバリンやロイシン、イソロイシンなど9種類ありますが、サケにはバランスよく含まれているのが特徴です。
また、魚全般に含まれるDHAやEPAはもちろん、エストロゲンという女性ホルモンの代謝を促進するビタミンB6や、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも豊富です。さらに『アスタキサンチン』というサケの身の赤色成分には抗酸化作用があります。
総合的な栄養バランスの良さはもちろん、ホルモンバランスを整えてPMS(月経前症候群)を和らげるほか、老化防止効果が期待できるので、特に女性に食べてほしい魚だと思います」
Q.サケを食べるときの注意点について、教えてください。例えば、1日にどの程度であれば食べても問題はないのでしょうか。また、サケを食べ過ぎると、どのようなリスクがあるのでしょうか。
松田さん「サケの栄養素は、他の多くの魚と同様、脂の部分に多く含まれています。反面、カロリーが高いので、1日の摂取量としては切り身一切れ程度がちょうどいいのではないでしょうか。
また、一見ヘルシーそうな刺し身やスモークサーモンの場合も、脂自体はそこまで落ちていないため、スモークサーモンであれば1日3切れ程度が望ましいです。加えて、市販品は塩分の問題もあるため、食べ過ぎないように注意しましょう」
Q.サケの栄養素を効率的に摂取する方法について、教えてください。また、どのような食べ物と組み合わせるのがお勧めなのでしょうか。
松田さん「バターを入れてホイル焼きにしたり、北海道でよく食べられている『ちゃんちゃん焼き』のように、野菜と一緒に蒸し焼きにしたりといった調理法がお勧めですね。ホットプレートでも簡単に作れますし、脂を逃がさないので、効率よくサケの栄養を摂取できます。同じく北海道料理の『石狩汁』のように、みそ汁の具として使うのもだしが出ていいと思います。
また、サケは先述のように栄養満点ではあるのですが、ビタミンCやベータカロテン(食物繊維)が入っていないという、ほぼ唯一と言っていい欠点があります。そのため、野菜などで補ってあげると、栄養バランスとしては完成度が非常に高いメニューになりますね。
例えば小松菜やホウレンソウ、ブロッコリーなどと合わせてクリーム煮にしたり、他の野菜と合わせてサラダやカルパッチョにしたりするのがお勧めです。
さらにスモークサーモンであれば、相性のいいチーズも一緒に食べることでカルシウムの吸収を促進できます。この場合、調理の作業があまり必要ないので、食べ過ぎにだけ気を付ければ手軽さ、栄養バランスともに素晴らしいレシピと言えるでしょう」
(オトナンサー編集部)
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