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新卒採用は究極の「ステマ」であり「詭弁」 学生諸君に内定あらんことを!!

長年、企業の採用に関する仕事に携わり、関連書籍もある筆者が、「新卒採用」を究極の「ステマ」「詭弁」と断じる理由とは。

企業、学生にとっての一大イベントである新卒採用
企業、学生にとっての一大イベントである新卒採用

 現在の新卒採用は、3月1日に企業エントリーが始まり、会社説明会への参加、エントリーシート(ES)の提出、筆記試験へと移行していきます。GW過ぎから内々定出しが始まり、夏前にはいったん収束します。8月ごろは次年度のサマーインターンシップが開始されている時期です。実は、大勢はかなり早い段階で確定しています。

 筆者は、企業の採用に関わる仕事を20年以上行い、関連書籍も出版していますが、毎年思うのは、「新卒採用ほどムダなものはない」ということです。

エントリーは片っ端から、ESはコピペ

 就活関連書籍を読むと、企業へのエントリーを絞ることが推奨されています。絞ることで企業研究の時間が取りやすくなり、注力できるメリットはあるかも知れません。しかし、エントリーを絞ると、チャンスを棒に振る危険性があることを理解してください。

 筆者は、学生に講義をする際、「エントリー時は可能な限り多くの企業に申し込むように」と指導しています。それが内定を取得する近道だからです。エントリーをしないことは、目的地に行く手段を自ら放棄することと同じです。

 エントリーしても受験できないという学生もいると思います。全てを受験する必要はありません。企業はエントリー数に応じて説明会の準備をするので、数日前にキャンセルをすれば問題ありません。聞かれても、詳細な理由など説明する必要性すらありません。

 さらに、効率良く就活を進めるには、ESにかける時間を削減することです。最初の段階で人事担当者にESが読まれることはまずありません。せいぜい、個人面接に移行してからです。さらに、ESの内容が素晴らしくても内定に及ぼす影響度は微小です。そんなものに時間をかけるのはムダというものです。

 就活を効率良く乗り切るには、業界別に数パターンのESを用意しておけばよいでしょう。内容も時間をかけて差別化しようなどとは考えないことです。自分が思うほど、差別化したESなど書くことはできません。内容は平易なもので十分です。

 なまじっか、ESのようなものに時間をかけるから、お祈りメールが来た時にショックを受けるのです。エントリーするために最低限の体裁を整えておけば、問題はありません。自信があるESを業界別にコピペして用意してください。

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尾藤克之(びとう・かつゆき)

コラムニスト、著述家 尾藤克之

コラムニスト、著述家。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。代表作として『頭がいい人の読書術』(すばる舎)など21冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も絶賛公開中。

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