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「竜田揚げ」と「唐揚げ」は何が違うのか そして「竜田」の由来とは…

定食やお弁当のおかずとして人気の「竜田揚げ」ですが、材料や調理法、見た目がそっくりの「唐揚げ」とは一体、何が異なるのでしょうか。「竜田」という名前の由来とともにご紹介します。

豚肉を使った「竜田揚げ」

 定食やお弁当のおかずとして老若男女を問わず高い人気を誇る唐揚げですが、よく似てはいるものの、唐揚げとはひと味違った食感や味が楽しめる食べ物に「竜田揚げ」があります。調理方法もよく似た両者ですが、その違いとは何でしょうか。また「竜田」の由来はどのようなものでしょうか。

 オトナンサー編集部では、日本唐揚協会のやすひさてっぺい会長に聞きました。

魚や野菜を揚げても「唐揚げ」

 一般に唐揚げは鶏肉を使ったものを指すことが多いのですが、やすひささんによると、唐揚げは小麦粉や片栗粉などの衣をつけて油で揚げる料理の総称。鶏肉に限ったわけではなく、鶏以外の肉や魚、野菜を同じ方法で揚げたものは唐揚げです。

 竜田揚げも唐揚げの一種ですが、使用する調味料と粉に明確な決まりがあります。

「竜田揚げはしょう油と、酒もしくはみりんを混ぜたタレに材料を漬け込んで臭みを取り、片栗粉をまぶして油で揚げた料理。下味がしっかりついており、衣が唐揚げより濃い色をしているのが特徴です。みりんを使うと甘辛い風味が生まれます」(やすひささん)

 なお、竜田揚げには鶏肉のほか、豚肉やサバ、マグロ、カツオ、クジラなどもよく使われます。

奈良北西部「竜田川」に由来?

 それでは、竜田揚げの「竜田」とはどのような意味でしょうか。実は、竜田揚げの名前の由来には「紅葉」の名所が関係しています。

「奈良県北西部には古くから紅葉の名所として知られ、百人一首にも登場する『竜田川』が流れています。しょう油に漬け込んだ肉を揚げた時の赤褐色が紅葉のようであることと、衣の所々に片栗粉が白く浮かぶ様子を紅葉が浮かぶ竜田川の白い波に見立てたことから『竜田揚げ』と命名されたようです」

 他説には、旧日本海軍の艦船「龍田」の料理長が、船員への食事として小麦粉の代わりに片栗粉を使った唐揚げを作り、そのおいしさが評判になったことから「竜田揚げ」の名が広まったとも。龍田も竜田川に由来しており、いずれの説が正しいとしても、竜田川が大いに関係していることになります。

(オトナンサー編集部)

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