きょう最終回! 「あなたの番です」Pが語る、SNSとの“勝負” ストーリーに影響は?
きょう最終回を迎える日本テレビ系連続ドラマ「あなたの番です」プロデューサーの鈴間広枝さんに、「SNS」とドラマ作りの関係性について聞きました。
日本テレビ25年ぶりとなる2クール連続のドラマ「あなたの番です」(毎週日曜 後10:30)が、9月8日放送の第20話でいよいよ最終回を迎えます。1クール目(第1~10話)は手塚菜奈(原田知世さん)が殺害される衝撃の展開で終幕し、2クール目(第11話以降)は「反撃編」としてスタート。1クール目は1桁台が続いた平均視聴率も、第18話(8月25日)で13.0%、第19話(9月1日)で12.3%と高い水準で推移しています(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。
オトナンサー編集部では、プロデューサーの鈴間広枝さんに単独インタビューを実施。最終回を目前に推理合戦がヒートアップしている「SNS」とドラマ作りの関係性について聞きました。
2クールによる恩恵を感じた
Q.25年ぶりの2クール連続ドラマでした。1クール作品との違いは何でしょうか。
鈴間さん(以下敬称略)「キャラクターを細かく描けましたので、一人一人の個性を際立たせることができました。脚本家の福原充則さんの面白いせりふがあって、役者さんのすてきな演技があって、ツイッターでは、そのキャラの『bot』ができたり、役名がトレンド入りしたりと、キャラを愛していただけました。こういう現象は長い時間をかけないとなかなか起きなかったかなと。2クールによる恩恵だと思っています」
Q.SNS上では、真犯人の推理合戦が行われています。ここまでの反応は予想していましたか。
鈴間「全く想像していませんでした。本当にありがたいです。視聴者の皆さんが考えたストーリーはとても面白くて、その想像力に感心しっぱなしで。プロットライターになってほしいくらい(笑)正直、拝借したいと思うアイデアはたくさんありました(笑)」
Q.SNS上での予想や反響などがストーリーに影響することはあったのでしょうか。
鈴間「設定を変えることはしませんでしたが、見てくださる皆さんには、常にびっくりしていただきたいと思っていますので、仕掛けを少し変えたことはありました。最後まで、ドキドキして楽しんでもらいたいですから。また、疑問の声が多いときは、説明する場面を予定より増やしたことは多くありました」
Q.ちなみに、SNS上にブル(=正解)はありましたか。
鈴間さん「犯行の動機や誰を殺害したかなどの部分で違うことはありましたが、割と早い段階から、かなり近い推理をしている方は結構いらっしゃいました。“犯人が誰か”だけであれば、ブルも結構あります。
制作陣としては、見てくださる皆さんの予想を上回って、さらに面白いものをお届けしたいと思っています。ただ、誰も予想できない結末であってはいけないとも思っていて。もし、ブルの方が全くいないということであれば、それは私たちの見せ方が間違っている、不親切すぎることになります。ずるい展開にならず、『しっかり見てもらえれば、犯人が分かんだよー!』という小さなヒントをちりばめながら作ってきました。
ただ、皆さんが優秀すぎて全然見逃してくれない(笑)とてもありがたいことなんですけどね」
Q.SNSで拡散されることも、見逃してもらえない要因ですよね。
鈴間「誰かがつぶやいたら、そのツイートに2000~3000の『いいね』がついちゃう(笑)画の撮り方やせりふ回しなど、『これは気付かれないだろう』と考えていたネタばらしの基準が、放送当初に比べてどんどんハイブローになっていき、ドラマ中盤くらいからは、優秀な皆さんの目を意識した演出になりました。
小道具の新聞や雑誌の記事の一言一句まで、目を皿にしてチェックして、誤解のないように、ネタバレしすぎないようにと必死でしたね」
Q.最後まで真犯人か分からない展開も、SNSでの盛り上がりの一助となっていますね。
鈴間「例えば、18話のラストで真犯人が判明して、残り2話でこれまでの仕掛けを丁寧に説明する展開にすることも可能でした。ただ、皆さんの一番の楽しみは真犯人を予想することだと思ったんです。ギリギリまで企画・原案の秋元康さんと相談して、いかに真犯人まで遠回りするか、作戦やアイデアをたくさん伝授していただきました」
Q.公開された最終回の予告も、SNS上でたくさん考察されています。
鈴間「ミステリーの最終回の予告は、だいたい2通りあるんです。核心的な部分を見せることで面白そうだと思っていただくパターンと、そこはひた隠しにしてミスリードを誘うパターン。『あな番』はどちらでしょうか」
(オトナンサー編集部)
コメント