知英、芝居の魅力は言葉が相手に伝わること 女優転身を支えた周囲の支え
KARAの元メンバーで女優の知英さんに単独インタビュー。韓国人役で出演するWOWOWプライム「連続ドラマW そして、生きる」への意気込みなどを聞きました。

韓国の人気アイドルグループ・KARAの元メンバーで、現在は、女優として活躍する知英(ジヨン)さん。これまで、1人7役を演じ分けた他、雪女や殺し屋、父親と心と体が入れ替わった女子大学生など、さまざまな難役をこなし、今年11月公開の主演映画「どすこい! すけひら」では、100キロ超の女子高校生を演じるなど“カメレオン女優”ぶりを発揮しています。
一方、意外にも韓国人役の経験はほとんどなく、本格的に演じるのは、8月4日からWOWOWプライムでスタートする「連続ドラマW そして、生きる」(毎週日曜 後10:00)が初めて。同ドラマは、東日本大震災をきっかけに出会った生田瞳子(有村架純さん)と清水清隆(坂口健太郎さん)によるヒューマンラブストーリーで、知英さんは瞳子の親友ハン・ユリ役です。
オトナンサー編集部では、知英さんに単独インタビューを実施。同作への意気込みや見どころ、女優に転身した理由などを聞きました。
自分の映像や記憶を頼りに役作り
Q.本格的に韓国人の役を演じるのは、今回が初めてだそうですね。
知英さん(以下敬称略)「以前も韓国人の役は演じたことはありますが、今回のように長い期間で演じたことはありませんでした。日本に来てから5年たちますが、ハンちゃんは2年くらいの設定なので、日本語をもう少し下手にしてほしいとリクエストがありました。昔の自分の映像を見たり、どんなふうに話していたのか思い出しながら役作りをしました」
Q.これまで、数々の難役に挑戦されていますね。
知英「リアルな世界観ではなかったので、想像の中で演じることが多かったですね。『これで合ってるのかな』『正解は何だろう』と結構悩んだりもしましたが、変わった世界観だからこそ、いろんなことを経験できました」
Q.韓国人の役を演じるにあたって、どのような心境でしたか。
知英「韓国人の私にとって、韓国人の役で、こんなにすてきな作品にすてきなキャストの皆さんと一緒に参加することができて、胸がいっぱいで光栄でした。今までで一番、自分らしくいられた役だと思います。日本人の役だと、発音やイントネーションを何度も直していたのですが、それが全く要らなかったので、こんなに自由に気持ちよく演じられたことはないです」
Q.厳しい現実を描く作品でもありますが、どのような思いを込められていますか。
知英「登場人物それぞれに別の生き方があります。家庭の事情も絡んできて、いろいろと展開が変わっていきますが、誰でもみんな、こうやって生きていくんだなと思いました。年齢や性別は関係なく、それぞれに夢や悩みがあって、私もこうやって悩んだこともあります。この作品では、生きていくことそれ自体が描かれています」
Q.ちなみに知英さんは今、どのような悩みがありますか。
知英「負けず嫌いで、すごく自分を責めてしまうんです。何か失敗したとき、『自分はなんてダメなんだ』と落ち込んでしまうので、何かをやるときはできるだけ自分に厳しくしています。挑戦する前に失敗することを考えて身を引いてしまうこともありますが、スタッフや家族、マネジャーさん、友達に言葉をもらって勇気を出すようにしています」
Q.KARAから女優に転身されました。大きな挑戦だったと思いますが、改めて決断の理由を教えてください。
知英「グループにいた時にお芝居をやらせてもらえる機会があったんです。誰かが書いたせりふを口に出して、自分の言葉にする。そして、それが相手に伝わる。お芝居のことは何も知りませんでしたが、素直に楽しくて、それからもっとやってみたいと思いました。グループを離れて、1人で女優の道に進むことは簡単なことではありませんでした。
でも、やらなきゃ気が済まない性格で、周りのみんなが『応援するから』と背中を押してくれたからこそ、今の自分があると思っています」
Q.KARAのメンバーから、元気づけられることもありますか。
知英「もちろん! もちろん! お互いに応援し合っています。私が直接できることは少ないですが、心でつながっています」
Q.立て続けに作品に出演されていますが、今後の目標は。
知英「いい女優さんになることですが、まずは一人の人間として、大人になりたいという気持ちがあります。支えてくれる人たちがいるからこそ、私がいる。大人というのは、周りを見ることができて、それでいて自分らしくいられて、自分と他人を大事にできる人だと思っています。それが仕事にもつながると信じています」
Q.最後に作品の見どころを教えてください。
知英「各シーンの風景がきれいな映像となり、一人一人のキャラクターが素晴らしい音楽の中で生きているのがこのドラマです。何を褒めていいのか分からないくらい、すべての要素が素晴らしい作品だと感じます。見てくださる方がそれぞれ、別の感じ方ができると思います」
ヘアメーク:KATO
スタイリスト:東野邦子
(オトナンサー編集部)
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