「真田丸」大坂の陣でクライマックスへ、幸村が「浪人」ではなく「牢人」である理由
堺雅人さん主演のNHK大河ドラマ「真田丸」では間もなく、クライマックスである「大坂の陣」が始まります。大坂の陣といえば、真田幸村ら「ろうにん」の活躍が有名ですが、この「ろうにん」、漢字で正しく書けますか。
俳優の堺雅人さん主演のNHK大河ドラマ「真田丸」は、堺さん演じる主人公の真田幸村(本名:信繁)が大坂城に入場し、いよいよ「大坂冬の陣」が始まろうとしています。
大坂の陣といえば、幸村以外にも、後藤又兵衛、毛利勝永、長曽我部盛親、明石全登といった武将が活躍しますが、彼ら「大坂五人衆」は、全員が「ろうにん」の立場であったことはよく知られています。
一方で、この「ろうにん」を漢字に直すと、一般的な「浪人」ではなく「牢人」と表記されることは、あまり知られていない事実かもしれません。
オトナンサー編集部では今回、「浪人」と「牢人」の違いに着目、長野県立歴史館専門主事兼学芸員の村石正行さんに、その理由を聞きました。
牢人は鎌倉時代の「吾妻鏡」に初見
まずは一般に知られた「浪人」ですが、村石さんによると、浪人は用例が古く、古代の律令体制下における「浮浪人」から派生する用語のようです。浮浪人は「公地である本籍地を離れ、ほかの場所で流浪している公民」のことです。
一方の「牢人」は、領地や地位、俸禄などを失った武士である「牢籠人」を略した言葉だそう。鎌倉時代の「吾妻鏡」に、「畠山重忠が日光山のふもとに牢人をかき集めた」とあるのが初見といいます。
一般に「牢人」は、主家を離れて所領や俸禄を失った武士階級のことを指す言葉だったようです。
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