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コロナでイメージ変化? 「1人外食」できる人/できない人、それぞれの心理とは

新型コロナウイルスの影響で「1人での外食」の注目度が増していますが、「1人では外食できない」という人もいます。「1人での外食」ができる人、できない人はそれぞれ、どういう理由があるのでしょうか。

「1人での外食」できる? できない?
「1人での外食」できる? できない?

 新型コロナウイルスの影響により、「大人数での食事はNG」「食事中の会話は控える」など、外食にも感染防止の意識が求められる中、「1人での外食」の注目度がアップしています。ネット上では「静かに食べたい」「コロナ禍以前から1人で食事する方が好き」という“1人飯派”が多くいる一方、「1人だと飲食店に入れない」「ファストフードならともかく、注文して席に食事が運ばれてくる店は無理」など、1人での外食に苦手意識がある人も少なからずいるようです。

「1人での外食」ができる人、できない人はそれぞれ、どういう理由があるのでしょうか。また、コロナ禍で「1人飯」のイメージは変わったのでしょうか。「1人での外食」について実施したアンケート結果を分析するとともに、1人で外食ができる人/できない人の心理について、心理カウンセラーの見解を聞きました。

「恥ずかしい」「食事が出てくるまでが…」

 アンケートは2月10~17日、全国のYahoo! JAPANユーザーを対象に行い、1703人から有効回答を得ました。

 まず、「あなたは『1人で飲食店に入って食事』ができますか」という問いには「できる」が92.5%、「できない」が7.5%と、1人で飲食店での食事ができる人が圧倒的に多い結果となりました。アンケートは任意参加方式のため、「できない」派の参加が減った可能性はありますが、それでも、多くの人が1人での外食に抵抗感がないようです。

「できる」と回答した人に、1人で飲食店に入って食事をすることのメリットや魅力について複数回答で尋ねたところ、「自分のペースで食事ができる」が28.9%、「好きなものを食べやすい」が18.8%、「会話をしなくていい」が15.0%、「食事の前後に好きなことができる(読書やスマホなど)」が13.2%と、気を使わなくてよい気楽さ、自由さをメリットとして挙げる人が多くいました。

 一方、「できない」と回答した人に自由記述で理由を尋ねると「恥ずかしい」「落ち着かない」「寂しい」との意見が多くみられた他、「食事が出てくるまでの手持ち無沙汰が嫌」「話し相手がいないと心細い」「勇気がない」などの声もありました。

「できる」と回答した人に、1人で飲食店に入って食事をすることが好きかどうかを尋ねると「好き」「どちらかというと好き」が計45.6%、「嫌い」「どちらかというと嫌い」が計15.8%、「どちらでもない」が37.6%と、1人で飲食店に入って食事をするのが好きな人は比較的多いことが分かりました。

 また、新型コロナ感染拡大の前後で、1人で飲食店に入って食事をすることへのイメージや考え方が変わったかどうかを全員に尋ねると「変わった」が49.7%、「変わらない」が50.3%と、ほぼ半々に分かれました。

「変わった」と答えた人からは「1人で飲食店に入りやすくなった」「1人で食事することに抵抗がなくなった」「1人で食べる人が増えた気がして、より気楽に過ごせている」など、1人での食事に対するポジティブな意識が増幅したという声の他、「1人だと会話がないから飛沫(ひまつ)が飛ばない」「1人で食事する方が、感染リスクが少なくなるから安心感がある」など、感染対策の面でもメリットを感じるという意見もありました。

年齢重ねれば苦手でなくなる?

 次に、1人で飲食店に入って食事をすることについて、できる人/できない人の心理などを心理カウンセラーの小日向るり子さんに聞きました。

Q.アンケート結果について、率直にどう思われましたか。

小日向さん「『1人で外食ができる』と答えた人が9割を超えたのは、回答者の属性(40代以上が82%、男性の割合が66%)からすれば想定内という印象です。また、回答を自主性に任せた場合、『寂しい』『恥ずかしい』といった自分のネガティブな側面を書き込むことには、消極的な心理が働くことが多いため、『できない』層が、そもそもアンケートに回答しないという選択をした可能性があります」

Q.1人で飲食店に入って食事ができる人/できない(苦手意識がある)人の心理とは、それぞれどのようなもので、その違いは何だと思われますか。

小日向さん「自意識過剰な人は、1人で飲食店に入って食事をすることが苦手なケースが多いです。『1人で食事をしている自分』を過度に意識してしまうのです。そうなると、店員の態度や他のお客さんの言動を自分の格好や言動に関連付けて考えてしまい、店に1人でいることに居心地の悪さを感じやすくなります。

一般的に、自意識が最も過剰になるのは自我同一性に目覚める思春期です。『自我同一性』とは『自分は何者であるか』ということを考え始める時期のことで、そこから、『他人から見られている自分』に意識が及ぶのです。しかし、思春期に過剰になった自意識も年齢を経るにつれて、適度なところに落ち着いてくるものです。

従って、1人で外食ができる人はある程度年齢を重ね、自意識が落ち着いてきた人で、これは『1人で外食ができる』と回答した人の95%が30代以上であることからも分かります」

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小日向るり子(こひなた・るりこ)

心理カウンセラー

カウンセリングスペース「フィールマインド」代表。出版社で働きながらボランティアで電話相談員を始めたことが、カウンセリングの世界に入るきっかけに。資格取得後、行政機関でのセクハラ相談員を経て、2012年に独立。2019年4月現在、約3500件の相談実績を持つ。メディア、ネットなどで心理・恋愛系コラムを多数執筆。フィールマインド(http://feel-mind.net/)。

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