帰宅拒否夫に問う「俺が家に帰りたくない理由」 妻からの逃避で“恐怖の老後”へ
「夫の帰りが遅い」と感じたら…
妻の視点で見ると、「気持ちに余裕がないから夫に頼る」「ストレスのはけ口を夫に向ける」ことになります。とげのある現状に、妻自身はとても悩んでいます。このような状況の妻側に「あなたが我慢して、まずは夫を癒やしてあげようよ」と言うのも酷です。
まずやることは、両者の気持ちをくみ取る余裕がない状況を“自覚”することではないかと思います。
「最近、夫の帰りが遅い」と感じる妻の皆さん。「家事を手伝いたくないから家にいないような男性と、私は結婚してしまったのか?」…そんなはずはない。「夫は、昔から顔を見れば悪態をつきたくなるような人だったか?」…そんなはずはない。「私は夫が家に帰ってきたら『おかえり!』とうれしそうな顔をしていたか?」…いや、最近していない。
このように一つずつ深掘りすることで、夫への配慮だけでなく、自分の気持ちの整理もできます。
一方、おひとリーマンになりかけている夫側は「妻との会話が面倒くさい」という感情を封印することです。
おひとリーマンは気持ちが優しく、けんかが苦手で、トラブルを回避する傾向が強いといわれます。しかし、妻(家)からの逃避を続けていては「人生100年時代」を乗り切ることは難しいではありませんか。
40代までなら、帰宅拒否をしてもまだお互いに耐えられますが、高齢になってからも家から逃げていては体も精神状態も病んできます。そして“帰宅拒否時代”のツケが来ます。体調が悪くても妻が優しく看病してくれない、1人の方が楽と言われる――恐怖の老後が忍び寄っているのです。
おひとリーマンを自覚し始めたら、まず妻と向き合いましょう。「なぜ、妻は自分を見ると嫌なことを言うのか」「妻から優しさを奪ったのは、もしかして自分ではないか」…ここまで落とし込むと、見えなかった真実が浮かび上がると思います。
夫を帰宅拒否に追い込む妻には、悪い点がいくつもあるでしょうが、夫にも「面倒くさがらないで妻を見て」と伝えたいのです。
(「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美)
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