もはや、違うお菓子? 「桜餅」の形状が関東と関西で大きく違う理由
桜の葉を食べるか否か?
Q.桜餅の違いの分布エリアを教えてください。
齊木さん「関東発祥の『長命寺』は、東北をはじめ山梨・静岡・長野の関東近郊に伝わりました。一方で、関西の『道明寺』は、近畿をはじめ北陸・四国・九州へと伝わりました。
ところが、関東より東の地方でも、北海道では、関西風の『道明寺』が一般的です。これは、江戸時代の北前船による流通のためです。北前船は日本海を通り、瀬戸内海と北海道を結ぶ交通手段であったことから、北海道に加え、東北地方の日本海側地域の一部では、関西風の『道明寺』を桜餅と呼んでいるところもあります」
Q.桜餅はいつの時期に食べるのがよいのでしょうか。
齊木さん「桜餅は、俳句の世界では『桜の満開の時期』『少しずつ桜の花びらが落ちる時期』『葉が落ちる晩秋』の季語になっています。つまり、桜を見ることのできる3月下旬~4月上旬が、最も食べる時期に適しているといえます。ちなみに、桜餅は『桃の節句のお菓子』として認識されていますが、実際のところ、桜餅とひな祭りは特別な由来や関係があるわけではありません」
Q.桜餅の「正式な食べ方」はありますか。
齊木さん「和菓子は基本的に、一口ずつ切ったり割ったりして食べるのが正しい作法です。『黒文字』と呼ばれる楊枝(ようじ)が用意されていたら、左側から一口大に切り分けます。この時、桜餅の葉脈に対して直角に楊枝を入れると、きれいに切れます。なお、まんじゅう・大福・桜餅・かしわ餅などは、フォークや楊枝では食べづらいため、手で持ってそのまま食べてもよいとされています。
『桜の葉を、桜餅と一緒に食べるか否か』に、正しい決まりはありません。桜の葉を外す場合は、葉を菓子器の右上に寄せておくと美しい所作になります。ちなみに、『長命寺』の発祥となった、山本新六を初代とする『長命寺桜もち 山本や』に、桜葉を一緒に食べるか否かを伺ったところ、桜餅は大きめの葉を2~3枚使って包んでおり、香りが餅に移っていることから、葉を外して食べるのがお勧めだそうです。
桜餅はお店によってさまざまなタイプがありますので、ご自身のお好みを探りながら春のお味を堪能してみてはいかがでしょうか」
(オトナンサー編集部)

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