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【腰痛】原因は「脳のエラー」? メカニズムを柔道整復師に聞いた

腰痛になる原因の部位や運動不足が腰痛を引き起こすメカニズムについて、柔道整復師に聞きました。

運動不足で腰痛になる仕組みとは…
運動不足で腰痛になる仕組みとは…

 デスクワークなどによる運動不足で、日常的に腰痛を抱えている人は多いのではないでしょうか。腰に痛みを感じると筋肉や骨などの部位への損傷が原因と思いがちですが、実際には運動不足が原因の可能性があるということです。そこで、「脳のエラー」が、腰痛を引き起こしている可能性もあると語る、柔道整復師で、匡正堂齋藤整骨院 永福・院長の齋藤洋一郎さんに原因や仕組みなどについて聞きました。

腰痛は危険を伝えるアラーム

Q.腰痛を引き起こす原因を教えてください。

齋藤さん「腰痛を引き起こしている可能性があるものとして、(1)筋肉、(2)骨、(3)神経、(4)内臓といったものが考えられます。

(1)筋肉
・筋肉の過緊張や機能低下
・運動不足による身体の位置情報のエラー

(2)骨
・突発的または日常的な応力による損傷
・運動不足による関節の劣化や潤滑不全
・骨の老化に伴う障害

(3)神経
・物理的または心理的な負荷による障害
・脳のエラーによる機能的な障害
・病気による神経の障害

(4)内臓
・消化器系や骨盤内の臓器の問題による影響

これらは、生活習慣の乱れや運動不足が腰痛の主な原因として挙げられます。また、筋肉や神経に共通している“脳のエラー”が、腰痛につながっています」

Q.「脳のエラー」によって、腰痛になる仕組みを教えてください。

齋藤さん「脳内の位置情報『ボディマッピング』の機能低下によるものだと考えています。私たちの脳には、体の地図『ボディマップ』が存在しています。ボディマップをもとに、どの関節がどこにあるのかという認識や皮膚および筋肉が伸び縮みする情報を得ることで体を動かしています。脳は、いわゆるナビゲーションのような存在です。

普段から動かしている筋肉の位置情報ははっきりとわかりますが、運動不足などで長期的に動かしていない筋肉の位置情報はだんだんぼやけていきます。位置情報がわからない状態で急に動かしたり、普段していないような複雑な動作を要求されると脳は正しい反応ができずにエラーが生じ、危険を伝えるアラームとして痛みが表面化するのです」

Q.改善する方法はあるのでしょうか。

齋藤さん「『ボディマップ』を正しい状態に戻すことが予防につながります。

脳と体とのコミュニケーションを取るようにしましょう。コミュニケーションというのは、ストレッチやマッサージ、軽い筋力トレーニングのことです。

日頃から軽い運動を行い、刺激を与えることで脳とのコミュニケーションを図り、位置情報の精度を上げていきましょう。

忙しい日々を送っていてなかなか時間を確保できない人は、意識的に姿勢を正しい姿勢で歩くことで脳とコミュニケーションを取ることができます」

歩くときは、理想は連続して30~40分歩くことですが、難しい場合は通勤時20分、帰宅時20分など2回にわけてもかまいません。移動時間を有効活用しましょう。帰宅後、時間に余裕があれば軽い筋力トレーニングを行うとベターです」

※ ※ ※
 運動不足により筋肉の位置情報を脳が正確に把握できないことでエラーが生じ、警報音として痛みを引き起こしていることがわかりました。腰痛を感じたら、まずは日頃の生活習慣を見直すことが先決です。日頃の生活習慣を見直し、腰痛の改善を試みましょう。

(オトナンサー編集部)

【簡単かも!】“脳のエラー”による腰痛を改善できるかも! コレが方法です!

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齋藤洋一郎さん(さいとう・よういちろう)

匡正堂齋藤整骨院 永福・院長

山野医療専門学校で柔道整復学を学び、2012年に柔道整復師の免許を取得後、修行を経て2023年、匡正堂齋藤整骨院 永福本院の院長に。背筋へのアプローチを中心とする民間療法“匡正術”を軸に、構造医学、神経機能訓練(FNT)を取り入れ施術を行っている。構造医学正規講座受講会員、FNTレベル2認定トレーナー。

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