「一緒に家事をする」と夫婦円満に!? カウンセラーに聞いて分かった心理的効果&コミュニケーション術
「一緒に同じことをすると仲が深まる」とはよくいわれますが、夫婦にも当てはまるのでしょうか。「一緒に家事をする」ことの心理的効果について、カウンセラーに聞いてみました。
あなたは普段、夫婦で一緒に「家事」や「料理」をしますか。「一緒に同じことをすると、親密度が高まる」という話を聞いたことがある人もいると思いますが、夫婦でも同様の心理的効果は期待できるのでしょうか。心理カウンセラーの平井綾乃さんに教えていただきました。
対人関係は経験の共有を通じて深まりやすい
Q.料理や家事を「夫婦で一緒に行う」ことにより、どんな心理的効果が考えられますか。
平井さん「対人関係は経験の共有を通じて深まりやすいので、例えば『一緒に料理を作る楽しみ』『協力し合う経験』を通じて、夫婦仲が深まるきっかけになると思います。
また、『家事を分担して作業をする』場合でも、夫が妻のしてほしいことに寄り添って協力しながら手伝うことで、妻の生活満足度が高くなるという研究結果も出ています」
Q.趣味など、他の行動についてはどうでしょうか。
平井さん「自分の好きなことに対して、相手が興味を持ったり、一緒に手伝ってくれたりしたらうれしくなりますよね。夫婦間の関係でもそれは同じで、夫婦関係の安定性を調査した研究では、夫婦の価値観や行動の特徴が似ている・共通している関係性が多いという結果も出ています。そのため、『興味のあるもの』『楽しいと思うもの』が共通しているのなら、夫婦でその時間を共有するのは、良好な関係性を築く上で非常によいのではないでしょうか。
また、今はまた見つかっていなかったとしても、そういった共通の趣味や物事を『一緒に探す』だけでも仲が深まるきっかけになるのではないかな、と個人的には思います」
Q.共同作業以外で、“夫婦円満”に効果的な行動パターンは。
平井さん「『ただ2人でいればよい』『2人で作業をすればよい』というわけではありません。例えば、一緒に過ごす期間が長くなると、つい『言わなくても分かるだろう』『勝手にやってくれるだろう』とコミュニケーションをおろそかにしてしまう人も少なくありません。それは決して悪いことではなく、相手への信頼があるからこそ生まれてくる気持ちだとは思いますが、一方で、価値観のズレによってストレスを感じたり、衝突したりする原因にもなってしまうのです。きっかけはささいなことかもしれませんが、こうしたすれ違いが重なると『言ってくれなきゃ分からないよ!』と言い争う原因にもなるでしょう。
そうならないためには、日頃から思っていること、伝えたいことを相手に伝える習慣をつけたり、『相手は今どう思っているんだろう?』と一度、相手の視点に立って考えたりすることで、2人の関係性は大きく変わると思っています」
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日本では「察する」「空気を読む」ことをよしとする風潮がありますが、こと夫婦の関係性を維持するためには「コミュニケーション」が重要です。自分の気持ちや感情を伝え、また相手からの思いを受け取ることで、円満な関係性を構築できる大きなきっかけとなるでしょう。
(オトナンサー編集部)
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