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サイコパスは「意外と身近にいる」と話題に、その定義を心理学者に聞く

皆さんは「サイコパス」という言葉にどんなイメージを抱きますか。「冷酷」「裏表」といった特徴を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、SNS上ではその“定義”について「意外と身近」だと話題になっています。

「サイコパス」は意外と身近な存在…?

 精神病質を持つ者、いわゆる「サイコパス」の定義がSNS上で話題に。犯罪心理学者のロバート・D・ヘアによる定義「良心が異常に欠如している」「他者に冷淡で共感しない」「慢性的に平然と嘘をつく」「行動に対する責任が全く取れない」「罪悪感が皆無」「自尊心が過大で自己中心的」「口が達者で表面は魅力的」という7つの特徴について「意外と身近にいるぞ」「死ねという言葉を簡単に使う人にも近いものを感じる」「私サイコパスかも」など、さまざまなコメントが寄せられています。

1980年代に「チェックリスト」を開発

 佛教大学の近藤日出夫教授(犯罪心理学・非行臨床心理学)によると、ヘアがサイコパスを操作的、客観的に診断するために「サイコパシーチェックリスト」を開発したのは1980年代。現在はその改訂版が使用されているそうです。

「このサイコパシーチェックリストは(上記)7つの特徴のほか『人を操る』『衝動的』『寄生的生活様式』など計20の特徴を評価するように構成されています」(近藤さん)

 この20の各項目について、専門家による面接とそれまでの生活記録などの判断によって0~2点の間で評価。総得点(0~40点)が大きければ大きいほどサイコパス傾向が強いとされ、通常は30点を超えるとサイコパスとみなされます。もちろん、評定項目や評価方法は厳密に定義され、評価を下せるのは専門家に限られます。

「現在、サイコパスの評定尺度として一般に広く知られているのはヘアのものだけですが、サイコパスに類似の概念として『反社会性パーソナリティー障害』が定義されています。その診断基準は、社会規範に適合しないこと、虚偽性、衝動性、攻撃性、無謀、無責任、良心の呵責(かしゃく)の欠如などです」

 ちなみに、とある刑務所の受刑者のうちサイコパスの割合が数十%だった、などの研究はありますが、一般社会におけるサイコパスの割合を調査した研究は存在しない、と考えられるとのこと。ただし、反社会性パーソナリティー障害は0.2~3.3%とみなされており、サイコパスの割合はそれよりもずっと低いと思われるそうです。

(オトナンサー編集部)

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