「あなたの番です」Pが振り返る2クール　木村多江、奈緒、田中圭…熱演をどう評価？

　日本テレビでは25年ぶりとなる2クール連続ドラマ「あなたの番です」（毎週日曜 後10：30）が、9月8日に最終回を迎えます。ダブル主演の田中圭さんと原田知世さんが演じる新婚夫婦が引っ越してきたマンションを舞台にした“交換殺人ゲーム”を描くミステリーですが、予測不能な展開に加えて、キャスト陣の怪演ぶりにも注目が集まっています。

　オトナンサー編集部では、プロデューサーの鈴間広枝さんに単独インタビューを実施。最終回を目前に、ドラマを盛り上げるキャスト陣の演技などについて聞きました。

盛り上がりの起点は「木村多江」

Q.約半年間、視聴者の関心を引きつけるのは大変だったかと思いますが、振り返ってみていかがですか。

鈴間さん（以下敬称略）「スタート前から、視聴者の関心を最も引きつけることのできる展開は、菜奈ちゃん（原田さん）の死だと思っていました。当初、それが描かれる第10話まで皆さんの興味が続くのかと不安もありましたが、木村多江さんの怪演や袴田吉彦さんに本人役を演じていただいたこともあり、第5～6話くらいからネット上でザワザワとしてきました」

Q.盛り上がりの起点になったのは、どの辺りだとお考えですか。

鈴間「第9話を放送したとき、早苗さんの豹変（ひょうへん）で『木村多江』さんがバズったんです。体感としても、話題になってきたなと思っていたんですが、先日、頂いたリサーチ資料に、そのバズりの中心にいたのが、10代の男の子たちだと書いてあって。多江さんご自身のコアのファン層とは違う層をも引きつけ、ザワつかせるお芝居、さすがだなと改めて思いました。『あな番』がここまで注目を集められるようになった最大の功労者の一人は、多江さんだと思っています。

他には、袴田さんはもちろん、浮田さん（田中要次さん）が殺害された第7話では、『あな番で泣くとは思わなかった』と『浮田さん』がトレンド入りしましたし、撮影現場では、キャストの皆さんが『役名でトレンド入りを目指そう』と話をされているほどでした」

Q.魅力的なキャラクターといえば、奈緒さん演じる尾野ちゃんも話題ですね。

鈴間「奈緒さんは本当にすごい！ かなり様子がおかしいキャラクターなのに、ちゅうちょせず思い切り演じてくれる女優さんで、脚本家さんの筆も乗るんですよね。奈緒さんにもっと面白いことをしてもらおうと、回を重ねるごとに、どんどん尾野ちゃんというキャラクターが成長していきました」

Q.奈緒さんのキャスティングの経緯を教えてください。

鈴間「昨年、ドラマ『サバイバル・ウェディング』（日本テレビ系）で一緒にお仕事させていただいのですが、主人公の恋敵をすごく魅力的に演じてくれて、『この子が出てくると何か起こる』とワクワクさせてくれる女優さんだなと。また、尾野ちゃんはオーガニック好きというキャラクターで、奈緒さんのピュアな感じのビジュアルもピッタリだと思ったんです。実は、奈緒さんご自身もオーガニック好きらしいのですが、今はドラマの影響もあって、買い物に行きづらいとおっしゃっていました（笑）」

Q.2クール目からは横浜流星さんが田中さんのバディーとして活躍しました。

鈴間「流星くんはお若いし、途中からの参戦ですし、圭さんとも初共演なので、緊張されるだろうなと心配もしましたが、圭さんが優しいお兄さんで（笑）すぐに現場になじんでくれました。逆に、流星くんの人懐こさが、菜奈ちゃんロスの中、座長としてほとんどのシーンを引っ張っていかなきゃいけない圭さんの支えにもなってくれたのかなと。お二人が翔太とどーやんのように良きバディーになってくださって、反撃編がすごく良い方向に展開していけたと思います」

Q.田中さんの、作品への姿勢はいかがでしたか。

鈴間「すごい熱量でした。ご本人もおっしゃっていましたが、ずっと発熱しているほどのプレッシャーと気合いで撮影に臨んでいただいて、実際、『特別編』でバスケをしながら菜奈ちゃんにプロポーズするシーンでは、40度の熱があったそうです。第1章ではかわいらしいキャラクターでしたが、第2章からは復讐（ふくしゅう）の鬼となるという振り幅がある役でしたが『翔太』という人物であり続けなければいけない難しさを、毎シーン丁寧に絶妙なさじ加減で演じていただきました。

ネット上では、翔太が真犯人という声もありますが、それは『翔太はこのままでは終わらないだろう』と視聴者に期待させる、圭さんの魅力の一つだと思います」

Q.最終話の見どころを教えてください。

鈴間「ストーリーの詳細は言えませんが、見どころは役者さんのお芝居です。スタッフも含めて全員が全力で作りました。ぜひ見届けてください」

（オトナンサー編集部）