仕事の「ストレス」でよく眠れない…さらに眠りの質低下させる行為とは? 専門家が勧める“睡眠改善法”
ストレスがたまると寝付きが悪くなる原因について、上級睡眠健康指導士に聞きました。

良質な睡眠は生活の質に影響することから、夜にしっかりと眠りたいと思う人は多いでしょう。ただ、その日に嫌なことがあったり、次の日に大切な用事が控えていて緊張していたりするなど、仕事や私生活に関するストレスを感じていると、なかなか眠れないことがあります。SNS上では「ストレスで眠れない」「嫌なことばっかり考えてしまって眠れない」などの声が上がっています。
ストレスがたまると睡眠に悪影響を及ぼすのはなぜなのでしょうか。ストレスで寝付きが悪い場合の対処法や睡眠の質を低下させてしまう行為などについて、上級睡眠健康指導士の山本智子さんに聞きました。
ストレスを感じていると交感神経が活発な状態な続く
Q.ネット上では「ストレスがたまると寝付きが悪くなる」という情報がありますが、本当なのでしょうか。
山本さん「はい、本当です。スムーズな寝付きは自律神経が交感神経から副交感神経に切り替わることによって得られます。要はリラックスするということが重要なんです。しかし、ストレスを感じている状態だと交感神経が活発な状態が続いてしまいます。この状態が続くと、交感神経から副交感神経への切り替えがうまくいかず、体が緊張したままになるので、寝付きが悪くなってしまうのです」
Q.もしストレスが原因で寝付きが悪くなる場合、改善するにはどうしたらよいのでしょうか。就寝前にストレスをできるだけ改善する方法について、教えてください。
山本さん「ストレスをなくし寝付きを良くする方法は、千差万別です。自分なりのリラックスルーティンを見つけるということに尽きます。例えば、『好きな音楽を聴く』『アロマが好きな人は自分の好きな香りを嗅ぐ』などですね。人は、リラックスしようと頭で考えると、逆にどんどんリラックスできなくなるため、筋弛緩(しかん)法や深呼吸、ゆっくりした動きのヨガなどを取り入れて、『体からリラックスさせる』という方法もお勧めです」
Q.ストレスが原因で寝付きが悪いとき、寝る前にやってはいけない行為はありますか。
山本さん「ストレスで寝付きが悪いときにやってはいけないこととして、寝る直前の激しい運動が挙げられます。交感神経が活発になる上に、体温も上がってしまうので、逆に寝付けなくなります。
また、ストレス発散で寝る前に暴飲暴食をするというのも、寝付きが悪くなる原因になるのでやめていただきたいですね。寝る前に食事を取ると消化器系が働くため、消化活動で体が休まらず脳も覚醒してしまうので注意が必要です。ストレスがあるときにお酒を大量に飲む人もいるとは思いますが、良質な睡眠を妨げて、体がしっかり休めなくなるという意味では逆効果と言えます。飲酒は睡眠の質を下げる習慣の一つです。
寝付きを良くするためには、就寝前に『体温を上げないこと』と『脳を興奮させないこと』というポイントを守るのが大事です」
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ストレスで交感神経が優位なままの状態が続くと、就寝前に交感神経から副交感神経への切り替えがうまくいかず、寝付きが悪くなるということです。寝る前は「体温を上げない」ことと、「脳を興奮させない」ことを意識し、寝付きが良くなるように心掛けましょう。
(オトナンサー編集部)









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