「妻のことが大嫌い」でも“いい夫”を装う…仮面をつけた夫たちの“冷ややかな本音”
「妻のことが大嫌いという夫は一定数いる」。夫婦仲相談所の所長を務める筆者が知る、“仮面”をつけた夫たちが抱える本音とは――。
2023年1月、男女の出会いに関するメディアを運営するノマドマーケティング(東京都渋谷区)が、既婚男性1000人を対象に「妻が嫌いかどうか」について調査した結果が話題になりました。「嫌い」と回答した男性は13%に上り、既婚男性の約1割、実に10人のうち1人以上が「妻のことが嫌い」であることが分かったのです。
事実、妻のことが大嫌いという夫は一定数います。そして、そのほとんどのケースで、妻は自覚がありません。一体なぜそんなことに!? 「恋人・夫婦仲相談所」所長である筆者が知る実例をご紹介します。
大恋愛の末、大好きな妻と結婚したはず…だった
渉さん(38歳、仮名)は、曜子さん(44歳、同)と大恋愛の末に結婚しました。
渉さんが、友人主催のパーティーで会った年上の人妻の曜子さんに一目ぼれをして、禁断の猛アタック。曜子さんは最初、友達感覚で渉さんとのお茶や食事に付き合いましたが、一途に自分を思ってくれる彼に、徐々にひかれていきます。曜子さんの前夫は10歳年上の医師で、学会も多く、留守にしがち。妻への興味も薄れているように感じていた時期でした。
曜子さんは離婚をして、渉さんと結婚する道を選びます。ラブラブのうちに結婚しましたが、その関係は常に曜子さんが上。妻が全て仕切る関係性です。それでも渉さんは幸せそうでした。自分を選んで、離婚までしてくれた女性です。
第1子が産まれる前夜、渉さんは涙を浮かべて、曜子さんに「子どもが生まれたら、僕たちの関係は変わる。君は子どものことが一番大切になってしまう」と訴えます。曜子さんは驚き、「当たり前じゃない」と取り合いませんでした。
出産後、渉さんは妻に指示されるままに赤ちゃんの世話をしていましたが、明らかに興味がなく、冷ややかな育児。とはいえ、頼んだことはそつなく行う夫に、曜子さんは満足でした。
関係が変わったのは2年後。子どもを実家に預け、久々にショッピングを楽しんでいるとき、渉さんが突然言いました。
「俺はもう、君のことは好きじゃない。いつでも別れられる。家を出ていってもいいけど、まだ金がないからたまるまで家にいる。子どもは君が育てて」
驚いて理由を尋ねると、「君は子どもが生まれてから俺を無視するようになった。話しかけてもいつも不機嫌で、口を開けば見下して、命令ばかり。この数年、君の“召し使い”扱いだった」と言うのです。
曜子さんは思い返してみました。小さな口論をして、夫が不機嫌そうにしているときもあったけれど、すぐに元に戻るし、幸せに生活していると信じていた曜子さん。大ショックを受けて、私の運営する夫婦仲相談所にいらっしゃいました。
現在は関係修復に向け、夫と一生懸命コミュニケーションを取るようにしています。これまでのように仕切るのをやめて、常に夫の意見を聞くようにしているそうです。
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