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帰省先への手土産、予算は? 渡すタイミングは? マナーコンサルタントに聞く

年末年始に実家や義実家に帰省する人も多いと思います。その際の手土産について、マナーコンサルタントに聞きました。

帰省先への手土産、どうする?
帰省先への手土産、どうする?

 新型コロナやインフルエンザの流行は少し心配ですが、年末年始に実家や義実家に帰省する人も多いと思います。その際、手土産をどうしようか、と迷う人もいるでしょう。帰省時の手土産について、一般社団法人「マナー&プロトコル・日本伝統文化普及協会」(東京都港区)代表理事でマナーコンサルタントの西出ひろ子さんに聞きました。

一般的には3000円程度

Q.そもそも、帰省時に手土産を用意すべきでしょうか。

西出さん「帰省時に手土産を用意『すべき』と断定することはできません。それぞれに関係性や事情があるでしょう。しかし、手土産を用意できる状況にあったり、実家や義実家もそれを喜んでくれたりするなら、用意するといいですね」

Q.手土産を用意する場合、いくらくらいの物がよいのでしょうか。

西出さん「一般的には、3000円程度のものを用意するといいでしょう。滞在期間が長い場合は、3000円から5000円くらいなど、無理のない範囲で、それぞれの家族の考え方に合う金額で問題ありません。

その他、手土産とは別に、日頃の感謝の気持ちや、年末年始の贈り物を個別に用意し、一緒にお渡しするのも喜ばれます」

Q.どのような品物がよいのでしょうか。

西出さん「大前提は、相手が好きなものを選ぶということです。一般的には、食べ物が主流となっています。例えば、和菓子が好きであれば、和菓子とそれに合う日本茶のセットなどは気の利いた手土産と感じられます。滞在時に『一緒にいただきましょう』と言っていただける可能性もあり、そうすれば共に楽しむこともできます。

手土産とは別の個別の贈り物としては、例えば、義父母に色違いのマフラーや手袋などの実用品。また、ご縁を結び、魔よけの意味を持つ水引で作ったピンバッジといったアクセサリーなども、新年にふさわしい縁起物の一つとしておすすめです。手土産などの贈り物も、基本は相手を思う感謝の表れです」

Q.渡すタイミングや、渡す際にどのように言うのがよいか、教えてください。

西出さん「帰省時の手土産をお渡しするタイミングは、家の中に入り、荷物を置いてあらためてごあいさつをするときにお渡しするのが一般的です。このとき、風呂敷や紙袋から商品を出してお渡しします。

実家であれば、例えば、『お母さんが好きそうな○○があったので、どうぞ』。義実家であれば、『よろしければ、こちらを召し上がってください』などと言ってお渡しするといいでしょう。

また、手作りのアクセサリーなどであれば、『こちらは私が作ったものです。よろしければどうぞ』と手土産に添えてお渡しするのも気持ちが伝わりますね

なお、『つまらないものですが』という言葉は、決して間違いではありませんが、近年では使用しない傾向にあります。『どんなに素晴らしい品物もあなたさまと比べたらつまらないものになります』という相手を敬う気持ちを表現する言葉なので、まったく問題ないのですが、その意味を知らなければ『つまらないものを持ってきたの?』と誤解を招く場合もあるからです」

Q.そのほか、注意すべきことや、「これはダメ」ということがあれば、教えてください。

西出さん「手土産も、事前に何が良いか聞ける関係性であれば、リクエストを伺ってもよいです。また、手土産や贈り物は、風呂敷や紙袋など、それ専用のものに包んで持参しましょう。お渡しするものを汚さないためです。

手土産も、マナーとしてこうしなければいけないという決まり事はありません。中には『手土産はなしでいいから』とおっしゃる実家の人もいらっしゃいます。マナーの基本は、相手の気持ちに寄り添う思いやりです。自分の気持ちの押し付けは控える方がいいでしょう。

とはいえ、『なしでいい』と言われても、本当に手土産を持っていかなくていいのかどうか、悩む人も多いと思います。その場合は、念のため、用意していき、その場での状況を見極めて、お渡しできるようでしたら、『おいしそうだったので、召し上がっていただければと思いまして』などと気持ちを伝えてお渡しすれば、受け入れていただけることでしょう。

せっかくの帰省です。お互い感謝し合えるすてきな時間をお過ごしください」

(オトナンサー編集部)

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西出ひろ子(にしで・ひろこ)

マナーコンサルタント、マナー解説者、美道家

ヒロコマナーグループ代表。一般社団法人「マナー&プロトコル・日本伝統文化普及協会」代表理事。大妻女子大学卒業後、国会議員などの秘書職を経て、マナー講師として独立。マナーの本場英国へ。オックスフォードにて、オックスフォード大学大学院遺伝子学研究者のビジネスパートナーと2000年に起業し、お互いをプラスに導くマナー論を確立させる。帰国後、名だたる企業300社以上にマナーコンサルティングなどを行い、他に類を見ない唯一無二の指導と称賛される。その実績はテレビや新聞、雑誌などで「マナー界のカリスマ」として多数紹介。「マナーの賢人」として「ソロモン流」(テレビ東京)などのドキュメンタリー番組でも報道された。NHK大河ドラマ「龍馬伝」をはじめ、NHKドラマ「岸辺露伴は動かない 富豪村」、映画「るろうに剣心 伝説の最期編」などのドラマや映画、CMのマナー指導・監修者としても活躍中。著書は28万部突破の「お仕事のマナーとコツ」(学研プラス)など監修含め国内外で100冊以上。「10歳までに身につけたい 一生困らない子どものマナー」(青春出版社)など子どものマナーから、ビジネスマナー、テーブルマナーなどマナーのすべてに精通。ヒロコマナーグループ(http://www.hirokomanner-group.com)。
※「TPPPO」「先手必笑」「マナーコミュニケーション」「真心マナー」は西出博子の登録商標です。

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