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「良きパパ」が「妻に依存する夫」に…40〜50代妻たちを悩ませる「友達がいない夫」問題

子どもが手を離れた後、「友達がいない夫」の存在に頭を悩ませる妻たち。実例をもとに、“妻に依存する夫”とどう向き合えばいいのかを考えます。

友達がいない夫が、妻の“足かせ”に?
友達がいない夫が、妻の“足かせ”に?

 40代、50代妻のお悩みの一つに、「夫が自分に依存し過ぎて困る」というものがあります。妻が出掛けようとすると、「どこ行く? 何時に帰る? 俺の飯は?」とオドオドしてしまう夫たち。子どもたちは成長し、親より友達と出掛ける方が楽しいお年頃。夫に「あなたも友達と釣りにでも行けばいいじゃない」と言いたくもなる、と。

 結婚後、仕事と家庭にどっぷりとつかり、学生時代の友人たちと縁が途切れてしまう夫たちは案外多いのです。結婚当初は「飲み歩きもせず、土日も家族サービスを頑張ってくれる良いパパ」だったのが、子どもが大きくなり、妻も自分の一人時間を持ちたいと思うようになったとき、夫が“足かせ”になってしまうケースがあります。

50代、60代は「友達いない」が3割台、70歳以上は半数を超える

 NHK放送文化研究所が加盟する国際比較調査グループ「ISSP」が、2017年に実施した調査「社会的ネットワークと社会的資源」の日本の結果を見てみると、50代以上の中高年男性は友人付き合いが希薄な傾向にあることが分かります。というのも、「悩み事を相談できるような友人がいるか」という問いに対し、男性の50代、60代は3割台が「いない」と回答。70歳以上では半数を超えました。また、18~29歳を除く全ての年齢層で、女性より男性の方が「いない」と答えた割合が多くなっています。

 さらに、「落ち込んだときの話し相手」について「親しい友人」と答えた男性は、70歳以上が21%と各年代で最も低く、次いで50代、60代と続きます。これは、「『男性は人に弱みを見せてはいけない』という時代の教育や思い込みによる結果ではないか」と分析されています。なお、現在の若い世代だと、SNSへの書き込みや、好きなゲームといったお気に入りのコミュニティーを通じて、共感しあえるネット上の友達をつくっている人もいます。

イクメンが「“妻依存”夫」になる日

 幸子さん(53歳、仮名)と恒夫さん(54歳、同)は、同じ大学のサークルメンバー同士で結婚しました。恒夫さんは大学卒業後も、よく幸子さんと一緒にサークル仲間とのバーベキューやホームパーティーなどを楽しんでいました。

「結婚後、3年くらいは頻繁に交流があったと思います。みんなに子どもが生まれて、子育てに仕事にと忙しくなってからは、集まる機会が減ってしまいました」

 恒夫さんは良いパパで、毎週末、子どもたちを車に乗せていろいろな所に連れて行ってくれました。ところが、子どもたちが大きくなり、週末は友人と出掛けたり、部活や習い事に忙しくなってきたりすると状況は変わります。

「私は子どもの手が離れたのがうれしくて、また大学時代の友人たちと会うようになったんですよ。ランチに行ったり、新しいカフェができたら誘ってお茶に行ったり。なぜか女性は集まるんですが、男性は来ないんですよね。それで夫も参加しづらいのか、『気にせず行っておいで』って1人で家にいるようになりました」

 恒夫さんを一人置いて自分だけ出掛けるのも気が引けるので、幸子さんは「友人から5回誘われれば、2回断る」頻度になっているといいます。

「でもね、最近、週末が苦痛になってきてしまったんです。家にいても基本的には夫と2人だし、特に変わり映えのない過ごし方しかできません。ちょっと服を買いたいからショッピングに出掛けようとしただけで『どこに行くの?』って必ず聞かれるのも嫌で、嫌で。ついてこられると気になってゆっくりできません。夫に悪気は全くないので、邪険に扱うのも違うし。

夫は趣味もないし、この先2人きりになったら、一緒にできる趣味を始めるのがいいんでしょうが…。いやあ、何があるんだろう。誘っても無関心で、『君だけやれば』って言われそう。夫には趣味が合う友達をつくってほしいです」

「定年退職後、家にいると妻に『うっとうしい』と言われるので、昼間は公園や図書館に出掛けて1人で時間をつぶしている」という夫側の声も聞きます。若いときは「家族を第一に考える良きパパ」と周囲にうらやましがられていても、子どもたちが成長し、独立した後は“妻に依存する夫”になってしまう――。中年の男性に友人がいないこと自体が問題ではなく、「友人がいない結果、妻と2人の世界にこだわる」ことが残念なのであり、“男の一人時間”を楽しめるようになれば問題ありません。

 もちろん、“妻のことが好き好き夫”で妻側がうれしいのであれば、それは理想のラブラブ夫婦ですが、今回の幸子さんのように鬱々(うつうつ)しているのだとしたら擦り合わせが必要です。男と女として出会った2人の関係は、その時々によって変化していきます。そのとき、2人にとってベストな状態にするには、2人で都度解決していくしかありません。

「夫に友達ができれば、妻は心置きなく自由に過ごせる」。友達をつくるのが苦手な夫に、その安易な解決策を望むのは間違いです。友達とけんかすれば、ストレスで妻に愚痴を言うことでしょう。夫に友達がいてもいなくても、ストレスなく向き合う策を練る方が穏やかに過ごせるはずです。

(「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美)

三松真由美(みまつ・まゆみ)

恋人・夫婦仲相談所 所長(すずね所長)・執筆家

夫婦仲・恋仲に悩む女性会員1万3000名を集め、「結婚・再婚」を真剣に考えるコミュニティーを展開。セックスレス・ED・女性の性機能に詳しく、性を通して男女関係をよくするメソッドを考案。20代若者サークルも運営し、未婚世代への結婚アドバイスも好評を呼ぶ。恋愛・夫婦仲コメンテーターとしても活躍中。また、フェムテックの分野で女性を支援する企業「Glad」を創業し、新しいサービスを手掛けている。著書は「夫婦の『幸せ循環』を呼ぶ秘訣」(講談社)「モンスターワイフ」(同)「40歳からの女性ホルモンを操る53の習慣」(扶桑社)「堂々再婚」(wave出版)など多数。コミック「『君とはもうできない』と言われまして」(KADOKAWA)の監修も手掛ける。恋人・夫婦仲相談所(http://fufunaka.com/)、公式LINEアカウント(https://lin.ee/oTQa13s)、公式note(https://note.com/suzune_16)、Glad(https://www.glad.tech)。

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