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「料理の提供が遅い」と感じるのは注文後、何分? 早い店はなぜ早い?

飲食店の客は注文してから、どれくらいの時間が経過すると「料理の提供が遅い」と感じるのでしょうか。飲食店コンサルタントに聞きました。

「料理が遅い」は何分後?
「料理が遅い」は何分後?

 飲食店で注文した料理がなかなか提供されず、イライラしたことはないでしょうか。特に、多くの客で混雑する時間帯は待たされる機会が増えます。注文後、どれくらいの時間が経過すると客は「料理の提供が遅い」と感じるようになるのでしょうか。また、混雑時でも料理の提供が素早い店がありますが、提供が遅い店と何が違うのでしょうか。飲食店コンサルタントの成田良爾さんに聞きました。

ファストフードは「5分超」でイライラ

Q.客が「料理の提供が遅い」と感じるのは注文後、どれくらいの時間が経過したときなのでしょうか。

成田さん「ファストフード店、高級料理店といった業態や時間帯(ランチ、ディナー)の違いにもよりますが、シチズン時計が2018年に実施した『待ち時間のイライラタイム』に関する調査を基にお話しします。この調査では『ファストフード店で商品が出てくるまで』『ランチタイム時、飲食店でオーダーした料理が運ばれてくるまで』など9つの場面別にそれぞれ、『どのくらい待たされるとイライラするか?』と質問しています。

調査によると、例えば、ファストフード店で、お客さまがイライラする待ち時間は『5分超』(28.0%)が最も多く、次いで、『5分』(23.8%)、『3分』(23.3%)です。一方、ランチタイムで、お客さまがイライラする待ち時間は『10分』(35.3%)が最も多く、『15分』(27.8%)、『5分』(13.0%)が続きます。つまり、『5分』『10分』の数値を合計すると、全体の48.3%が料理注文後、10分以内にイライラし始めることが分かります。

高級料理店やディナータイムでも、30分を過ぎると、お客さまは遅いと感じるでしょう」

Q.では、飲食店はどの程度までなら、料理の提供に時間をかけてもよいのでしょうか。

成田さん「ファストフード店やランチタイムの場合、5分以内を目標に提供するのが望ましいと思います。遅くとも10分以内でしょう。高級料理店やディナータイムでは、20分以内の提供が望ましいと思います」

Q.たとえ、料理の味がよくても、客に「料理の提供が遅い」という印象を与えた場合、店の経営にどのような影響があるのでしょうか。

成田さん「『あの店は料理の提供が遅い』といった印象を与えてしまうと、時間がないお客さまやせっかちなお客さまは再度、店に来なくなります。いくら、味がよくても客層の幅が減ってしまうため、売り上げ的にはマイナスになるでしょう。飲食業界では料理の味と同様、料理の提供までにかかる時間も非常に重要なので、多くの飲食店では、おいしい料理を可能な限り、素早く提供することを心掛けています」

Q.なぜ、料理の提供が遅くなるのでしょうか。また、混雑時でも素早く料理を提供する店もありますが、何が違うのでしょうか。

成田さん「料理の提供が遅い店はメニューの構成や人員不足など、さまざまな原因がありますが、一番の原因は準備不足です。飲食業界では『飲食店の仕事は準備が95%』といわれており、料理の提供が遅い店の多くは開店までの準備作業を見直すことで、料理の提供までにかかる時間を短縮できます。

例えば、料理の仕込みや接客のオペレーションの準備、段取りの確認、不測の事態を想定しての準備や心構えなどがしっかりできれば、実際にトラブルがあってもかなりスムーズに対処できるでしょう。料理の提供が素早い店はたいてい、準備が万全です」

Q.料理提供までに時間がかかりそうなときや料理の提供に必要以上の時間がかかった場合、店側は客にどのような対応をすべきなのでしょうか。また、その際にやってはいけないことはありますか。

成田さん「料理の提供に時間がかかりそうな状況であれば、店員はお客さまに前もって、待ち時間を伝えることが大事です。また、料理の提供に時間がかかり、必要以上に待たせてしまった場合は、注文を受けた店員が責任を持って、お客さまとコミュニケーションを取り、待ち時間を長く感じさせないよう、最上級の心遣いをすることです。

そして、遅れて料理を提供したときはおわびをするとともに、お客さまがお帰りになる際にも、お待たせしたことへの再度のおわびや、お見送りをしっかりするなど、気持ちよく帰ってもらうようにしましょう。一番やってはいけないのは、作業に追われるあまり、お客さまをないがしろにしてしまうことです。

また、店員のコミュニケーション不足が原因で、お客さまが憤慨しているようであれば、しっかり、コミュニケーションが取れる店の責任者が代わりに対応する方が望ましいでしょう」

(オトナンサー編集部)

成田良爾(なりた・りょうじ)

飲食店経営コンサルタント

ヴィガーコーポレーション代表取締役。厚生労働省公認レストランサービス技能士(国家資格)、文部科学省後援サービス接遇検定準1級、食生活アドバイザー2級、他。飲食業界25年以上。ミシュランガイド掲載の高級レストランから個人経営の小さな大衆店まで幅広いジャンルの飲食店に携わり、その経験に基づく統計解析および枠にとらわれないアイデアで多くの赤字店を黒字化させてきた実績を持つ。「100年続く店づくり」をモットーに、次世代育成や飲食業の働き方改革などにも力を入れており、食文化普及の他、職業訓練校講師(フードビジネス科)や子育て女性就職支援事業講師なども歴任。現在も多くの飲食店経営者のサポートを手掛ける。飲食店専門のコンサルティング「オフィスヴィガー」HP(http://with-vigor.com/)。

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