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篠原ゆき子“美咲”か自分か分からなく…「感情を手放してうれしかったです」

映画「女たち」主演の篠原ゆき子さんに、映画の感想や役に共感できるところ、現場の雰囲気などを聞きました。

篠原ゆき子さん
篠原ゆき子さん

 映画「女たち」で主演を務める女優の篠原ゆき子さん。同作は、40歳を目前にした独身の美咲(篠原さん)は半身不随の母(高畑淳子さん)の介護をしながら、地域の学童保育所で働いています。美咲にとって、養蜂家の親友・香織(倉科カナさん)が唯一の心のよりどころですが、彼女も心に深い闇を抱えていて…自然に囲まれた町の人間ドラマです。

 オトナンサー編集部では、篠原さんに単独インタビューを実施。映画の感想や役に共感できるところ、現場の雰囲気などを聞きました。

感じるままに演じようと

Q.完成した映画を見ていかがでしたか。 

篠原さん(以下敬称略)「自分が出演しているところはまだ客観視できていません。台本を作成している途中で、物語の舞台をコロナ禍に設定することになり、それもあって世界中で共感していただけると思います。試写で見たときは生々しくて、言葉にできませんでした」

Q.撮影はいかがでしたか。

篠原「しんどかったです。すごく集中できる環境でやらせていただき、途中から、役なのか自分自身なのか分からなくなってしまいました。終わったときは、美咲の感情を手放していいんだとうれしかったです。美咲はそれくらい、するべきことや手放せないものが多い人だったので、撮影中は苦しかったです」

Q.高畑さんとのやりとりがとても大変そうでした。 

篠原「母と娘の関係はすごく難しいと思っていて、こういった関係の親子はいっぱいいるんだろうなと思います。愛情があるから心配になったり、自分と似た部分に腹が立ったりするんだと思います。母親に対する感情は女同士ということもあり、特に複雑だと感じました」

Q.美咲に共感できるところはありましたか。 

篠原「私自身が演じる以上、自身の内側から出していきたかったので、全部共感した上で演じました。ただ、なぜ、美咲はここまで追い詰められてしまったのか、とは思いました。きっと、私はもう少し器用なのかなと思います」

Q.演じる上で大事にしたことを教えてください。

篠原「感じるままに演じようと思いました。いつもなら、ある程度プランを考えてから現場に行くのですが、今回は1年半くらい、美咲について考えてきたためか、すでに美咲のエッセンスが私の中に入っていました。内田伸輝監督も『台本はあくまでガイドブック』というスタンスの方だったので、安心して演じることができました」

Q.倉科さんとの共演はいかがでしたか。

篠原「お会いするまで、倉科さんは天真らんまんな明るいイメージで、香織とは結びつかなかったのですが、お会いしたら、つかめない不思議な雰囲気を感じ、香織だと思いました。お会いしたことで、美咲のイメージも固まりました」

Q.倉科さんと通じるものはありましたか。 

篠原「勝手な私の見解ですが、女としての痛みみたいなものを感じていらっしゃって、そこが共通している気がしました。人にはあまり見せない、特に男には見せない痛み、それが通じ合っているんじゃないかなと思いました」

Q.現場の雰囲気はいかがでしたか。

篠原「コロナ禍での久々の現場だったので、モノを作れるという喜びで全体的にイキイキとした空気の現場だったと思います」

Q.普段、リフレッシュにしていることはありますか。 

篠原「最近はお店に行けないので、家飲みしています。ボックスワインを買って飲みながら、おつまみとチーズで楽しんでいます」

 映画「女たち」は全国公開中。

(オトナンサー編集部)

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