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夫婦のすれ違いは「共働き」のせい? 夫は「SNS>妻」、38歳女性の諦め

「共働きによる夫婦のすれ違いを防ぎたい」と考えて、妻が仕事を辞めるケースがあります。果たして本当に、夫婦のすれ違いの原因は「共働き」なのでしょうか。

すれ違いは「共働き」が原因?
すれ違いは「共働き」が原因?

「離婚の原因にならないように“すれ違い”をつぶしておく」。結婚を機に、妻が芸能界を引退することになった大物芸人とフリーアナウンサーの夫婦が話題になりました。「共働きによる夫婦のすれ違いを防ぎたい」ということのようですが、果たして本当に、夫婦のすれ違いの原因は「共働き」にあるのでしょうか。

「量より質」と思っていたのに

「私はこの意見に賛成です。うちは共働きが原因で、夫婦のすれ違いが起きました」と話してくれたのは明日佳さん(34歳、仮名)。彼女は外資系のシンクタンクで億単位の案件を手掛ける敏腕コンサルタントで、プロジェクトによっては時差の都合で深夜に会議があったり、徹夜でプレゼンの準備をしたりすることもあるそうです。

 一方、明日佳さんの夫は大学病院に勤務する医師。コロナ禍で特に忙しい日々が続いていて、夜勤明けでそのまま日勤に入るなど、なかなか家に戻れない日もあります。大学時代から交際していた2人は共に、自分の夢を追い掛けることで今のポジションを築いたパワーカップルです。

「自分の生き方を大切にしながら、相手からも刺激を受けるという関係が昔から続いていました。生活時間帯もバラバラで『久しぶりに会ったね』って笑いながら、夜中に食事をする日もありました。実家の両親からは『忙しすぎて、すれ違いが起きるんじゃない?』と言われていましたが、『一緒にいる時間は量より質が大事なの』って言い返していました。でも、そう思っていたのは私だけだったみたいです」

 結婚10年目にして、夫婦に起こった危機は夫の浮気。同じ職場に勤務する女性と親密な関係であることを、共通の友人から教えられたそうです。

「夫に『何で彼女と?』と聞いたら、『ずっと一緒にいる人には愛情が湧く。君とはすれ違いばかりで心が離れた』と言われました。彼にとっては『時間は質より量』だったんですね。一緒にいる時間の“量”の差で浮気相手に負けたんだと思います」

 話し合いの末、結局は元のさやに戻った明日佳さん夫婦。しかし、今まで通りの生活では、また浮気をされるのではないかという懸念と仕事を続けたい思いの間で、明日佳さん自身はまだ悶悶(もんもん)としているそうです。

共働きより優先順位の問題?

「夫婦のすれ違いを妻の仕事のせいにするのは違うと思います」と言うのは、菜緒さん(38歳、仮名)。

「うちの夫はIT企業に勤めていて、コロナ禍でも忙しく、昨年から、一緒に食事を取る機会が減っていました。私はアパレル関係の会社に勤めていたのですが、コロナで業績が悪化。職場の人間関係にも疲れていたので、昨年、希望退職の募集に応じました。

それ以来、私は時間がたっぷりあるので、夫の好きな料理をいろいろ作って、『一緒にご飯を食べようよ』と誘っていたのですが、『忙しくて無理』と言われるばかり。当時は『夫が忙しすぎるから、夫婦がすれ違ってしまうのだ』と思っていました」

 そんな菜緒さんの考え方が変わったきっかけは、ママ友の一言でした。「菜緒ちゃんのダーリン、いつも、すごく凝った動画をインスタにアップしているよね。どのくらい時間をかけているの?」と聞かれたのです。

 確かに、菜緒さんの夫のインスタグラムには、こだわりの写真や動画が日々アップされています。夫が「コメントが多くて大変だよ」と言いながらもうれしそうに、毎日、時間をかけて丁寧に返信しているのを思い出しました。

「スマホやパソコンを一日中いじっているくせに、私のLINEには返事がない。文句を言うと『忙しい』『時間がない』の一点張り。それでハッと気付いたんです。SNSは時間がなくてもやる。でも、私への返信は時間がないからできない。つまり、『限られた時間をどう使うか』という点において、夫にとって私の存在はSNSより下なんです。

もし、私の方が大事なら、インスタのコメントではなく私のLINEに返信してくるはずです。私に返事がないのは忙しいからじゃなく、彼にとって私の優先順位が低いからなのだと気付いたんです。だから、もし彼が暇になっても、他のやりたいことが優先されるだけで、私に返信は来ないと思います」

 そう話す菜緒さんですが、結婚前は少し違っていたようです。

「結婚前の方が2人とも忙しくて、会う時間は少なかったのですが、すれ違いなんて全く感じませんでした。相手に対する優先度が高ければ、どんなに忙しくても、他のことを全部諦めても一緒にいようとしますよね。すれ違いを生むのは忙しいかどうかではなく、優先順位が高いかどうかなんだと思います。だから、共働きかどうかなんて関係ないんです」

相手を思う気持ちの強さ

 夫婦のすれ違いを生む原因の一つが「一緒にいる時間の少なさ」であることは事実のようです。しかし、その「時間の少なさ」が「すれ違い」につながるかどうかは「一緒にいる時間を大事にしたい」と思う気持ちの強さ次第ではないでしょうか。

 単身赴任でほとんど会う時間がなくても、ラブラブなカップルは存在します。小まめにLINEで言葉を掛ける、オンラインで笑顔を見せ合う、そして、会えたときは最大限の喜びを相手に伝える――。すれ違いは一緒にいる時間の多さではなく、相手を思う気持ちの強さで回避できるのです。忙しい2人であっても、毎朝3分間、「すれ違いチェック」をする気持ちの余裕を持ってください。

(「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美)

三松真由美(みまつ・まゆみ)

恋人・夫婦仲相談所 所長(すずね所長)・執筆家

夫婦仲・恋仲に悩む女性会員1万3000名を集め、「結婚・再婚」を真剣に考えるコミュニティーを展開。セックスレス・ED・女性の性機能に詳しく、性を通して男女関係をよくするメソッドを考案。20代若者サークルも運営し、未婚世代への結婚アドバイスも好評を呼ぶ。恋愛・夫婦仲コメンテーターとしても活躍中。著書は「夫婦の『幸せ循環』を呼ぶ秘訣」(講談社)「モンスターワイフ」(同)「40歳からの女性ホルモンを操る53の習慣」(扶桑社)「堂々再婚」(wave出版)など多数。コミック「『君とはもうできない』と言われまして」(KADOKAWA)の監修も手掛ける。恋人・夫婦仲相談所(http://fufunaka.com/)、公式LINEアカウント(https://lin.ee/oTQa13s)、公式note(https://note.com/suzune_16)。

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