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清純派からの変貌重ね 「ドラゴン桜」の長澤まさみから目が離せない!

4月期ドラマで注目を集める「ドラゴン桜」。前作から引き続き、水野直美役で出演しているのが、長澤まさみさんです。

長澤まさみさん(2017年12月、時事通信フォト)
長澤まさみさん(2017年12月、時事通信フォト)

「ばかとブスこそ東大へ行け!」という主人公のせりふが印象的だった2005年のドラマ「ドラゴン桜」(TBS系)。阿部寛さん演じる元暴走族の弁護士・桜木建二が経営難の三流私立大学を立て直すため、落ちこぼれの生徒たちを東大へと導く同作の第2シリーズが現在放送されています。第1話の平均視聴率は14.8%を記録し、2021年4月期のドラマの中で初回視聴率1位を獲得しました(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

 なぜ、これほどまでに「ドラゴン桜」が注目を集めているのか。その理由の一つは、16年前に放送された第1シーズンに、人気・実力共にトップクラスの俳優たちが生徒役で出演していたからです。

トップ俳優輩出へ高まる期待

 来年、全米で公開されるハリウッド映画「The Man From Toronto」に出演が決まっている山下智久さん、昨年度、「MOTHER マザー」で「第44回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞」を獲得した長澤まさみさん、「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS系)や「親バカ青春白書」(日本テレビ系)など話題作への出演が絶えない新垣結衣さん。彼らのように、生徒役の中から将来、日本のエンタメ界をリードするトップ俳優が再び輩出されるのではないかと注目を浴びているのでしょう。

 そんな中、前作から引き続き登場しているのが水野直美役の長澤さんです。直美は第1シーズンで、桜木が創設した特別進学クラスに入り東大を目指していましたが、受験当日に母親が病に倒れて試験の途中で断念。しかし、1浪の末に東大へ合格し、弁護士資格を取得して、桜木が経営する弁護士事務所に入りました。

 第2シーズンでは、ある一大スキャンダルが原因で落ちぶれていた桜木を強引に連れ、前作とは異なる学校再建のために桜木をサポートしながら、今度は自身が生徒たちを東大合格へ導く立場で活躍しています。

 過去に沢口靖子さんや斉藤由貴さんらを輩出した、2000年の「東宝シンデレラオーディション」で、当時、史上最年少の12歳でグランプリを獲得し、同年公開の映画「クロスファイア」で女優デビューを果たした長澤さん。そんな彼女が一躍有名になったのは、2004年に公開された映画「世界の中心で、愛をさけぶ」で、主人公サクが高校時代に付き合っていた恋人アキを演じたことによります。

 アキは白血病を患いながらも、聡明(そうめい)で活発な少女。クラスの人気者で、見るものを一瞬にして引きつける魅力的な役どころを、長澤さんはデビューからわずか4年でしっかりと自分のものにしたのです。

「当時の私は本当にまだ子どもで。目の前のことにいっぱいいっぱいでした。監督の話をうなずいて聞いて、何度も何度もやってみる。“演じる”という感覚についても、よく分かっていなかったと思います」(MOVIE WALKER PRESS)

 長澤さん自身はそう語っていますが、当時、映画を見た方は彼女のみずみずしさに驚いたのではないでしょうか。長澤さんの持つ透明感が、はかなげでピュアなアキにぴったりで、森山未來さん演じる高校時代のサクと一緒に撮影した際のウエディングドレス姿の美しさは、多くの方の記憶に残っていると思います。

 その後、映画「タッチ」やドラマ「プロポーズ大作戦」(フジテレビ系)などの話題作に出演し、圧倒的な清純派ヒロインとしてのイメージを確立。しかし、20代半ばに出演した映画「モテキ」で、長澤さんは新境地を開くことになります。

 この映画では「世界の中心で、愛をさけぶ」で共演した森山さん演じる主人公・幸世の思い人となる、みゆき役を熱演。“殺人級の笑顔の女”というキャッチコピーが付けられているほど、みゆきは魅力的な女性で当然彼氏持ち。それでも、幸世を思わせぶりな態度で誘惑し、作中には濃厚なキスシーンも。清純派から脱却し、大人の実力派女優としての一歩を踏み出しました。

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苫とり子(とま・とりこ)

エンタメ系ライター

1995年、岡山県生まれ。東京在住。学生時代に演劇や歌のレッスンを受け、小劇場の舞台に出演。IT企業でOLを務めた後、フリーライターに転身。現在は「Real Sound」「AM(アム)」「Recgame」「アーバンライフメトロ」などに、エンタメ系コラムやインタビュー記事、イベントレポートなどを寄稿している。

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