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投稿にドン引きも…お風呂掃除、週1~2回じゃ足りない? 浴槽と以外で違いは?

風呂掃除は「週に1回、多くても2回」というネット上の声には否定的な意見が多いようです。実際、手間がかかって面倒くさい風呂掃除は、どれくらいの頻度で行うべきなのでしょうか。

風呂掃除の頻度は?
風呂掃除の頻度は?

 先日、ネットのある掲示板で「風呂掃除を毎日しないのは汚いですか?」というテーマの投稿が話題になりました。投稿主によると、浴槽のお湯は毎日張り替えているものの、「掃除は週に1回、多くても2回」で「お湯を張る前に浴槽をシャワーで流しており、お湯も毎日入れ替えているからきれいだと思う」と周囲に話したところ、「毎日入るのに洗わないなんて、よく平気だね」と驚かれたそうです。投稿への返信にも「ドン引きしてしまいました」など否定的な意見が多く集まっていました。

 しかし、浴室の掃除は浴槽のほか、床や壁まで考えると手間がかかります。風呂掃除は週に1~2回程度ではいけないのでしょうか。ハウスクリーニングアドバイザーの有賀照枝さんに聞きました。

きめ細かい掃除は週1程度で

Q.浴槽のほか、床、壁も含めた風呂掃除は週に1~2回程度ではいけないのですか。

有賀さん「各家庭によって、使用状況や汚れ具合などがそれぞれ異なると思いますので、一概にこれが正解とは言い切れませんが、洗剤を使って行うきめ細かい風呂場全体の掃除は週に1回程度でもよいかと思います。家事代行サービスで浴槽や床、壁などの風呂掃除を行う頻度は週に1回、あるいは2週間に1回程度です。これくらいの頻度であっても、多くの家庭の風呂場は毎回、ある程度きれいな状態を保つことができています。

しかし、下記のような状況では汚れがより付着しやすいので、掃除をする頻度も増やした方がよいでしょう」

・子どもも含め家族が4~5人以上の家庭
・入浴回数が多い(夜だけではなく、朝や昼にも入浴する家族がいる)
・風呂場で洗濯物を干している(洗濯物の繊維かす等が落ちる)
・十分な換気ができないのでカビが生えやすい
・アロマオイルなど入浴剤を使っている(オイル系成分が揮発して壁などに付着する)
・風呂場にシャンプー、リンスなどの容器を多数置いている
・犬などのペットを風呂場で洗う(毛が抜ける)
・風呂場の蛇口から出る水がカルキを多く含み、白くなりやすい
・風呂場の壁に鏡がある(水滴をそのままにするとカルキ汚れが目立ちやすい)

Q.よく、「風呂掃除は毎日が理想」と聞きます。可能であれば、毎日すべきなのでしょうか。

有賀さん「毎日、隅々まで掃除して汚れをためず、きれいな風呂場をキープできれば理想的です。しかし、多くの人は仕事や家事で忙しくて時間を取れず、毎日、きめ細かい掃除を行うことは現実的ではありません。そのため、浴槽とそれ以外の場所をメリハリをつけて掃除を行うのが効率的でしょう。

浴槽はきれいに見えても、湯あかや皮脂汚れなどがたまりやすい場所です。浴槽を洗うとき、ザラザラしたり、ヌルヌルしたりした感覚を経験した人も多いと思います。張ったお湯を抜いた後は洗剤を使って、毎回、掃除をしましょう。

洗い場など浴槽以外の場所は普段、最後に風呂場を使う人が毎回、泡や汚れをシャワーでしっかり流して、汚れをためないようにしましょう。汚れがたまると、赤いヌメリや湯あか、カビが生えたりして掃除が大変になるだけではなく、風呂場の壁や床を傷める原因にもなります」

Q.単身世帯の場合、浴室の汚れはある程度限られてくると思います。単身世帯でも、毎日の風呂掃除が理想なのでしょうか。

有賀さん「単身世帯でも、毎日、風呂掃除ができれば理想的です。普段はシャワーだけで浴槽は使わない人も多いかもしれませんが、その場合でも、浴槽に飛び散った泡や汚れを毎回、入浴後にシャワーでサッと流しておけば、お湯を張りたいときすぐに使えます。

また、風呂場がユニットバスで、浴槽内で髪や体を洗う人もいると思います。その場合も同様に、髪や体を洗った後に浴槽内をシャワーでしっかりと流し、湯船につかった場合は、洗剤を使って洗うようにしましょう。使用状況にもよりますが、風呂全体を洗剤を使って、しっかり掃除するのは2週間に1回程度を目安に行うのがおすすめです」

Q.風呂掃除といっても、どれくらいのレベルまで掃除をすればよいのか分かりにくいです。目安のようなものがあれば、教えてください。

有賀さん「まず、使用後に毎回行う掃除についてです。浴槽は洗剤をつけて洗い、できれば、浴槽フィルターも水洗いしてください。そして、洗い場は泡や汚れを丁寧にシャワーで流してください。次に、1~2週間に1回程度の掃除では、目線から下の場所を中心に掃除をしましょう。壁や扉、浴室カウンター、蛇口、床、排水口、浴槽フィルター、鏡、椅子、おけ、風呂フタ、シャンプーボトルなど小物類を中心に洗うとよいです。

最後に、数カ月から半年に1回程度の風呂場の大掃除では、換気扇フィルターや天井、目線から上の壁や扉といった場所を掃除するとよいでしょう。風呂釜洗浄や浴槽エプロンの内部清掃は専門業者に年に1回、あるいは数年に1回程度、定期的に依頼できればベストです」

Q.リビングや寝室の床は、最近はロボット掃除機で楽にきれいにできますが、浴室はまだ、手を使って掃除をしなければいけません。こうしたことが面倒くさくて、風呂掃除の頻度が下がる人も多いと思います。風呂掃除が少しでも楽になるコツを教えてください。

有賀さん「掃除回数をできるだけ少なくするには、入浴時と入浴後のひと手間がポイントです。入浴後、体を洗った後に飛び散った泡や汚れをシャワーでしっかりと流します。特に、目線から下の壁や床、浴室カウンター、シャンプーボトル、椅子などの小物類も丁寧に流します。やけどに気を付けながら、50度以上のお湯で流せば、カビがより発生しにくくなります。

その後は換気扇を使って、風呂場をよく乾かします。私たちプロも風呂掃除の後は『ドライ仕上げ』といって、必ず、水分を拭き取る作業を行います。一般家庭では、掃除のたびにドライ仕上げを行うのは現実的ではないため、スクイジー(平らな表面の水分を取り除くことに使うT字形の道具)を使って、壁や洗い場だけでも水分を取り除くと、きれいな風呂場がキープできます。鏡は特に効果が期待できます。

また、風呂場に掃除道具を備えて、入浴しながら掃除をするのも一つの方法です。水分を含ませるだけで簡単に汚れが落ちるメラミンスポンジで、鏡や蛇口を磨けば、汚れが付着して間もない白いカルキ汚れはすぐに落とせます。体を洗いながら、浴槽のお湯を抜き、風呂から出る前に浴槽を洗剤で洗ってしまえば、汚れも緩いのですぐに落ち、わざわざ掃除の時間も取らずに済むので、忙しい人には向いているかもしれません。

風呂掃除は体に負担をかける姿勢にならないとできないことが多いです。そのため、腰をかがめて掃除をしなくてもいいように、柄が長いブラシを使うなど工夫してみるのもよいでしょう」

(オトナンサー編集部)

有賀照枝(ありが・てるえ)

整理収納コンサルタント、ハウスクリーニング技能士

ハート・コード代表取締役。一般社団法人ライフ・アレンジ協会特別講師。2007年から家事代行・整理収納サービス開始。現場をよく知る整理収納のプロとして、セミナー講師、ジュピターショップチャンネルなどメディア多数出演中。「部屋磨きは自分磨き・職場磨きはスタッフ磨きに通じる」がモットー。著書「片付けが苦手な子が驚くほど変わる本」(青春出版社)。ハート・コード(https://www.heartscode.com/)。

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