「死んだらどうなるの?」 子どもに聞かれて何と答える? 「生と死」の伝え方
誰かが亡くなったとき、子どもに「死んじゃったらどうなるの?」と聞かれ、困った経験のある人もいることでしょう。「生と死」について、子どもにどう伝えるべきなのでしょうか。
家族や親戚、ペットが亡くなったとき、子どもに「死ぬってどういうこと?」「死んじゃったらどうなるの?」と質問をされ、返答に困った経験のある人もいることでしょう。
誰もがいつか必ず迎える「死」について、幼い子どもにどう伝えるべきか悩む親は少なくなく、ネット上には「義父が亡くなったとき、娘に『じいちゃんはどこに行ったの?』と何度も聞かれた」「曖昧に答えてよいものか迷う」「命について教えるのは難しい」など、さまざまな声があります。
「生と死」について、親は子どもにどう伝えるべきなのでしょうか。子育てアドバイザーの佐藤めぐみさんに聞きました。
4歳過ぎから少しずつ理解
Q.一般的に、子どもが「死」について関心を示し始める時期や、実際に「死」を理解することができるようになる時期は、いつごろなのでしょうか。
佐藤さん「死への関心や理解は、4歳を過ぎたあたりから深まるとされています。ある研究で4~7歳の子どもたちを対象に、生命を維持させる身体機能についてどれくらい理解しているかを調査したところ、4~5歳の半分以上、6~7歳のほとんどが内臓の機能を理解しつつ、生命がどうやって維持されるのかを説明することができたそうです。
よって、4歳過ぎから、死のことを少しずつ理解し、6~7歳くらいで理解できていることが多いようです」
Q.子どもに「死ぬってどういうこと?」「○○はどこに行ったの?」と問われたとき、親や周囲の大人はどのように答えるべきでしょうか。
佐藤さん「『お星さまになって、お空から見ていてくれるよ』『□□ちゃんの心の中に、いつもいてくれるんだよ』などと答える家庭も多いと思いますが、私もこのような形が望ましい伝え方ではないかと思います。
大人が身近な人の死を受け止めるときも多かれ少なかれ、同じような形で死を捉えようとしていると思います。仏壇や墓などの“会える場”があることで癒やされる部分は非常に多いものです。
一方で、死に関して私たちが最も恐れているのは、『二度と会えない』ということだと思うので、子どもにも、『もう会えないんだよ』といった袋小路状態をつくる言い方はすべきではないと考えます」
Q.「本当のことを伝えるのはかわいそうだから」「まだ理解できないから」といった理由で、子どもに死について隠したり、身内の葬儀に参列させなかったりする親もいるようです。このような親の行動は適切でしょうか。それとも不適切でしょうか。
佐藤さん「死という難しいテーマなので、これが正解というものはないといえます。ただ先述のように、4歳過ぎの子どもは徐々に死のことを理解しているので、もしお子さんが聞いてきたときは、話をそらしたり、はぐらかしたりしても、疑問が残ったままになってしまいます。分かりやすく説明してあげるのが望ましいでしょう。
一方で、日本は火葬をするのが一般的なので、お骨を見ることで大きなショックを受けることも多いようです。葬儀には参列させつつも、全て見せるのかどうかは、その子の年齢や性格も踏まえて決めるのが賢明でしょう。
なお、ペットのように毎日一緒に過ごしてきた“家族”とは、『きちんと最後のお別れを』と考える親御さんも多いと思います。その際は、家族みんなでペットをなでて『ありがとう』を言う場をつくりましょう。その後、火葬する場合は、お骨が納められた状態になってから子どもに見せると、子どもに受け入れやすくなるのではないでしょうか」
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