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募金の使途、ギャラの是非…「24時間テレビ」批判を超えて、番組の意義を擁護する

毎年恒例の「24時間テレビ 愛は地球を救う」が放送終了。参院選における「れいわ」の躍進があり、東京パラリンピックを前に障害者政策に注目が集まる中、番組の是非について論じます。

「24時間テレビ」総合司会の羽鳥慎一さん(2015年10月、時事通信フォト)
「24時間テレビ」総合司会の羽鳥慎一さん(2015年10月、時事通信フォト)

 毎年恒例の日本テレビ系のチャリティー特番「24時間テレビ 愛は地球を救う」が放送されました。今年は参院選において、「れいわ」が結党からわずかな期間で支持を集めて躍進しました。自民党が主導した特定枠を効果的に使った点に戦略性を感じます。来年は、東京五輪・パラリンピックを控えており、障害者政策に注目が集まっています。今回は、24時間テレビの是非について解説します。

参加者のギャラにまつわる論点について

「24時間テレビ」について、募金の使い方に異論を唱える人がいます。公益社団法人24時間テレビチャリティー委員会として、事業報告書/決算報告書/事業計画書について情報公開を行っています。批判をされる方は、公開されている情報を精査してください。筆者は公開情報について高く評価しています。

「参加者の芸能人にギャラを支払うことはおかしい」と言われる人がいます。しかし、1回の放送で億単位の募金を集めることができる「24時間テレビ」の存在は貴重です。障害者支援という大義があるため、スポンサーもつきやすくなります。障害者支援活動を特別番組として長期にわたって放映しているのは日本テレビだけです。番組終了後には、賛否を含めて話題になるため、啓蒙や教育的効果が期待できます。

「障害者に対する扱いがあまりに一面的」という意見や、障害者のチャレンジや芸能人のチャリティーマラソンにも批判があります。しかし、番組の目的は障害者理解を深めることです。これらのチャレンジによって、多くの人に感動や勇気を与えたり理解が深まったりするのなら、許容すべきではないかと思います。

「障害」とは一体何なのか

 アカデミックの領域では、インペアメント(個人の障害)とディスアビリティー(社会の障害)について、系譜や概念から区別しています。米国と英国では研究が盛んですが、米国では「社会の偏見」「健康な者を中心とした価値観」、英国では「社会制度上の障害者差別や排除システム」などが該当します。

 障害を「個人の属性」ではなく「社会の障害」として捉えることは、日本で話題になる「障害」を「障がい」と表記することの議論にも似ています。しかし、障害の問題とは、「障害」を「障がい」に変えれば解決するような問題ではなく、このようなことが議論になること自体が「社会的障害」であると考えられます。

 数年前、「アイスバケツチャレンジ」が世界的ブームになりました。ALSの研究を支援するため、バケツに入った氷水を頭からかぶるか、米ALS協会に寄付をする運動でしたが、今年は話題を聞きません。残念なことです。

「私は有名な○○さんから指名されちゃった」「この活動は継続させて、多くの疾病に派生させるべきだ」。このように話していた人はどこに消えてしまったのでしょうか。有名なコメンテーターの人々も、ブームの際にメディアで力説していました。

 今年の東京は、8月に入ってから暑さが厳しくなり、最高気温35度以上の猛暑日が過去最多となりました。こんな暑い中で氷水をかぶったらどんなに気持ち良いことでしょう。疾病や福祉に対する意識啓蒙を深めるために継続させるべきではないでしょうか。視聴者はあのりりしい姿を忘れていないと思います。

 障害者が、障害のない人と同じように生活するには、周囲の人が障害を正しく理解することが大切です。その意味で、1978年に始まった「24時間テレビ」の意義は大きいのです。放送後に出現する「批判だけする人たち」にも違和感を覚えます。そのような人たちは、これまでどのような活動をしてきたのでしょうか。お聞きしたいものです。

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尾藤克之(びとう・かつゆき)

コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員

東京都出身。代議士秘書、大手コンサルティングファームにて、経営・事業開発支援、組織人事問題に関する業務に従事、IT系上場企業などの役員を経て現職。現在は障害者支援団体のアスカ王国(橋本久美子会長/橋本龍太郎首相夫人)をライフワークとしている。NHKや民放各社のテレビ出演や、経済誌などからの取材・掲載多数。著書も多く、近著に「3行で人を動かす文章術」(WAVE出版)がある。埼玉大学大学院経済学研究博士課程前期(経済学修士、経営学修士)。

筆者への連絡先
FB:https://fb.com/bito1212
TW:@k_bito

コメント

17件のコメント

  1. いいですね。私もあなたの考え方に賛成です

  2. 擁護はいいけど、チャリティ-で出演者に出演料払うか!?それを容認するのか?必要悪か?擁護するにしてもダメなものはダメというべきでは?

  3. 出演者がギャラもらうのはおかしい!

  4. チャリティーで出演料が発生するのはおかしいと思う。

  5. 『チャリティー番組だ!』と言うからおかしくなる。『障害者啓蒙のバラエティ番組』と24時間テレビは名乗るべきなのではないか。

  6. ギャラのことを問題視するなら、7億円を集められる方法を日本テレビに提案すればいいと思います。すぐれたプランならみんな喜ぶことでしょう。もしくは7億円を寄付されてみては?

    できないことに対して批判だけするほうが問題です!

  7. 私の頭が悪いのだと思いますが、話が飛びすぎて全体として何が言いたいのかわかりません。

  8. 他のコメントにもあるが、このコラムは前半と後半が別の記事みたいで本当に何が言いたいのかよく分からない。
    いいものは良いし、悪いものは悪い。悪いものを良いとはいえない。筆者はもっと客観的な立場で述べるべきだと思う。だから「擁護」としているのかもしれないが。

    批判するなら行動しろという発想も幼稚だ。賛成する人、要するに沈黙している人は何も行動しなくていいが、反対する人、批判する人は行動しろってか。これも矛盾していると思う。評論家は不要ということになる。まあ、出る杭はたたかれるということか。

    日本テレビに提案する気などもない。テレビ局はしょせん視聴率を上げるためにしているとしか思えない。当該案件ははその一つの手段であろう。

    そんなことよりもっと企業や行政が動く必要があるのではないか。大企業が収益の一部を寄付すれば7億円以上集まるのではないか。企業や行政が動けば必然的に個人の意識も高まっていくのではないのか。

  9. 追伸
    この記事は「Pex」の「みんなのNEWSウォッチ」で最も「ムカムカ」された記事にランキングされていて、13233票、12%ある。
    最も「ムカムカ」された記事で10%以上ってなかなかない。

  10. この記事に賛同します。
    街のチャリティの企画でタレントを呼ぶのも同じことです。
    その規模が大きいものだと解釈しています。

    批判をする人は氷水を頭からかぶって反省しなさい!

  11. 何もしないで文句を言うばかりの人は投票にもいかずに政治に対して文句を言うのと同じなんだけどな。

    要するに文句を言う資格が無いんだよ。

    • 仰るとおり、選挙に行かない若者と同じですね!

  12. チャリティ精神が問われているのに集金システム効率の観点で反論するのは筋違い。
    「批判だけする人たち」と勝手に決めつけているが、国民の8割は寄付経験者ですよ。

    • 世界146カ国を対象にした調査(寄付の意識調査)では、日本は85位の先進国では最低水準です。
      1位・オーストラリア
      2位・アイルランド
      3位・カナダ
      4位・ニュージーランド
      5位・米国
      85位・日本

      国民の8割は寄付経験者のソースは?

    • 日本じゃ美徳は隠すもの
      見事なまでに白豚国家が並んでますねそれ
      直接返信できなかったからここに書いたけど誰宛かは言うまでもないね?

  13. 番組の目的は障害者理解を深めることです。

    昔は違いましたがね
    アジア、アフリカの貧困も扱っていたんですよ
    今みたいに障害者は頑張る人みたいな偽善を植え付けるような番組ではありませんでした

    • すばらしいご意見ですね!

      つまり、「アジア、アフリカ」の貧困をあつかうことで偽善ではなくなると?
      このように仰りたいわけですねよね?

      申し訳ございません。
      なにを言われているのか(言いたいのか)わかりませんでした