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体が危険サイン!? 「鉄分」不足のとき無性に食べたくなるものとは 安易にサプリに頼ってはいけないワケ

鉄分が不足しているときに無性に食べたくなるものについて、医師が解説します。

鉄分が不足しているときに食べたくなるものとは?(画像はイメージ)
鉄分が不足しているときに食べたくなるものとは?(画像はイメージ)

 現代人は鉄分が不足しやすいといわれており、日常生活では鉄分の摂取が推奨されています。レバーやホウレンソウなどの鉄分が多く含まれた食べ物や、鉄分サプリなどを摂取している人は多いと思います。ところで、「鉄分不足のときは特定の食べ物を摂取したくなる」という話を聞きますが、本当なのでしょうか。鉄分不足の際に現れる症状や摂取したくなる食べ物などについて、「戸塚西口さとう内科」(横浜市戸塚区)の院長で医師の佐藤孔信さんに聞きました。

鉄分不足になると集中力が低下

Q.そもそも、鉄分不足になると体にどのような影響を及ぼす可能性があるのでしょうか。鉄分不足の際に生じる主な症状について、教えてください。

佐藤さん「鉄は赤血球の中のヘモグロビンの材料となる重要な栄養素です。鉄が不足するとヘモグロビンが十分に作られなくなり、『鉄欠乏性貧血』を引き起こすことがあります。その結果、全身へ酸素を十分に届けることができなくなり、さまざまな症状が現れます。主な症状としては『疲れやすい、だるい』『めまい、立ちくらみ』『動悸(どうき)、息切れ』『頭痛』『顔色不良』『集中力の低下』などが挙げられます。

また、鉄分不足が進行すると『爪が割れやすくなる、そり返る(スプーンネイル)』『髪のパサつきや抜け毛』『口角炎や舌の違和感』といった皮膚や粘膜の症状が見られることもあります。特に月経のある女性、妊娠中の女性、成長期の子ども、偏食傾向がある人は注意が必要です」

Q.体が鉄分不足のときに示すサインはありますか。例えば、鉄分不足のときに摂取したくなる飲食物はあるのでしょうか。また、「鉄分不足のときにコーヒーを飲みたくなる」という情報がありますが、本当なのでしょうか。

佐藤さん「鉄分不足のサインとして知られているものの一つに『氷食症』があります。これは氷を無性に食べたくなり、頻繁に口に含むようになる状態を指します。鉄欠乏性貧血の人に見られることがあり、鉄分を補充すると改善するケースも報告されています。

氷を欲する明確なメカニズムは完全には解明されていませんが、いくつかの説があります。その一つは、鉄欠乏により口腔(こうくう)内の粘膜に軽い炎症や違和感が生じ、それを冷やすことで一時的に楽になるという説です。

また、氷をかむ刺激が脳への血流や覚醒度を高め、鉄欠乏によるぼんやり感や集中力低下を補おうとする反応ではないかとも考えられています。鉄欠乏による倦怠(けんたい)感や動悸などの症状は、自律神経の不調と似た症状を示すこともありますが、氷食症との直接的な関係については十分に解明されていません。

『コーヒーを無性に飲みたくなることが鉄分不足のサインである』という明確な医学的根拠は現時点では十分とは言えません。鉄欠乏による眠気や倦怠感を補おうとして、結果的にカフェインの摂取量が増える可能性は考えられます。ただし、コーヒーや緑茶に含まれるタンニンは鉄の吸収を妨げるため、鉄不足が疑われる場合は鉄を多く含む食べ物との同時摂取を控えることが望ましいでしょう」

Q.もし鉄分不足の場合、どのように対処すればよいのでしょうか。鉄分を摂取するのにお勧めの食べ物も含めて教えてください。

佐藤さん「鉄分不足が疑われる場合は、まず医療機関で血液検査を受けることが大切です。一般的には、ヘモグロビン値や、体内に蓄えられている鉄の量を示す『フェリチン』などを確認し、鉄欠乏の有無を判断します。

自己判断でサプリメントを開始するのではなく、原因を確認した上で適切な対応を行うことが重要です。特に男性や閉経後の女性で鉄欠乏性貧血が疑われる場合には、消化管出血のような症状が隠れている可能性もあるため、医師による評価が必要です。消化管出血は胃・十二指腸潰瘍や大腸がんなどが原因で生じます。

食事では、鉄を含む食品を偏りなく取り入れることが大切です。赤身の肉や魚などの動物性食品に含まれる鉄は、植物性に比べて体内で利用されやすいとされています。

一方、小松菜やホウレンソウ、大豆製品などの植物性食品にも鉄は含まれており、これらも日々の食事の中で意識して取り入れることが望まれます。特定の食品に偏らず、全体のバランスを整えることが重要です。

慢性的な疲労や、氷を頻繁に食べたくなるといった症状がある場合は、『体質』や『年齢のせい』と自己判断せず、一度医療機関で相談することをお勧めします」

(オトナンサー編集部)

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佐藤孔信(さとう・よしのぶ)

医師(戸塚西口さとう内科院長)

専門は糖尿病や腎臓病など、多岐にわたる。「対話を大事に、患者様からのsign(サイン)を見逃さない」医療を目指し、幅広い診療科の医師、スタッフとともにチームで診療にあたっている。戸塚西口さとう内科(https://www.satounaika.com/greeting)。

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