“バイプレーヤー”伊藤沙莉が連ドラに引っ張りだこの理由
連続ドラマへの出演が目立ち、現在放送中の「獣になれない私たち」でも、熱演が話題の伊藤沙莉さん。その魅力に迫ります。
子役時代に、連続ドラマ「女王の教室」(日本テレビ系)や「みんな昔は子供だった」(フジテレビ系)などに出演し、最近は2017年上半期のNHK連続テレビ小説「ひよっこ」で米屋の娘・米子(さおり)を演じて注目を集めた、女優の伊藤沙莉さん。
2018年だけでも、連続ドラマは「隣の家族は青く見える」(フジテレビ系)、「いつまでも白い羽根」(東海テレビ・フジテレビ系)、「この世界の片隅に」(TBS系)、「恋のツキ」(テレビ東京)などに立て続けに出演しています。
「けもなれ」での演技も話題
現在放送中の「獣になれない私たち」(日本テレビ系)では、主演の新垣結衣さん演じる晶の同僚で、明るい半面、仕事をしたがらない営業担当・松任谷を熱演。腹立たしくも、どこか憎めないキャラクターが話題を呼んでいます。
多くの視聴者の印象に残る、伊藤さんの演技の魅力について、「獣になれない私たち」で演出を務める水田伸生監督はこう話します。
「沙莉ちゃんは晶のバックグラウンドを端的にデフォルメして表現することができます。インパクトがあり、輪郭がはっきりしているのです。さらに、デフォルメした演技でも、『私の会社にもいる』『私のクラスにもいる』と共感させて、成立させる力が極めてまれです。表現力が豊かで、シナリオが求めていることをポーンと助走なく演じられます」
「幼い頃から、いろいろな作品に出会い、その都度得るものがあって、どんどん自信がついてきている。今では替えのきかない存在です」
伊藤さんが、連ドラに引っ張りだこの状況ができたきっかけについて、コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんは、「ひよっこ」への出演を指摘します。
「『ひよっこ』では、舞台が東京に変わってから、ずっと露出があり、目立っていました。主演よりも助演俳優の方が朝ドラ終了後にオファーが多くなる傾向がありますが、伊藤さんもそのケースです。美人女優、清純派女優、朝ドラ主演女優などイメージを気にしてしまう女優さんが多い中、伊藤さんにはそれが全くない。若くして“助演”としての演技を理解しているのが強みです」
「主演女優となった人は、キャスティング会議の際に考慮され、助演で呼ばれにくいところがあります。その点、小学生の頃から演技の世界にいる伊藤さんは、立ち位置をわきまえています。さらに、知名度もあり、確実に結果も出してくれるので最初に名前が上がる。佐藤仁美さんら30代では少なくありませんが、20代の女優では珍しい存在です」
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