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スマホなどで採用進むUSB Type-C 「表」と「裏」があるって本当? メーカーに聞いた

USB Type-Cケーブルのコネクタについて、「実は『表』と『裏』がある」という情報があります。その真偽について、メーカーに聞きました。

USB Type-Cケーブルのコネクタは、どの向きでも挿し込みが可能
USB Type-Cケーブルのコネクタは、どの向きでも挿し込みが可能

 スマホやタブレットなどの電子機器の中には、データの転送速度が速い「USB Type-C」と呼ばれる規格を採用する製品が増えています。この規格は上下左右対称のデザインのため、どの向きでもケーブルのコネクタを挿し込めるのがメリットですが、「実は『表』と『裏』がある」との情報があります。もしそれが事実なら、表と裏では、データ転送速度などに違いがあるのでしょうか。

 また、抜き挿しを繰り返しているうちにコネクタが壊れたり、接触不良になったりするケースもあるようですが、なぜでしょうか。USB Type-Cケーブルを使う際の注意点について、パソコンなどの周辺機器の開発や製造、販売を手掛ける、エレコム(大阪市中央区)コンダクションデバイス課の横山敦之さんに聞きました。

「表」は実在するが、性能は「裏」でも同じ

Q.そもそも、USB Type-Cケーブルのコネクタには「表」と「裏」があると言われていますが、事実でしょうか。また、表と裏、どちらの向きで挿し込んでも本当に問題はないのでしょうか。

横山さん「あくまで一般論としてお話しします。内部に『パドルカード』と呼ばれる基板が入っている場合、部品が実装されている側が『表』として生産されることはあります。また、USBロゴ認証(規格に準拠した製品であることを確認する試験プログラム)を取得した商品の場合、『トライデントマーク』と言われるロゴが付いています。一般的には、トライデントマークが付いている側が表と言われることが多いと思います。

ただ、『表』と『裏』はあるものの、USB Type-Cケーブルのコネクタは、表と裏、どちらでも挿し込める設計となっています。また、どちらで挿し込んでも機器側と電気的に同じ数の接点が持てる構造になっているため、通電およびデータ伝送の性能に変化が生じない仕組みになっています。つまり、表と裏とでは、充電にかかる時間や転送速度などは変わらないといえます」

Q.USB Type-Cケーブルの抜き挿しを繰り返しているうちに、「コネクタの部品が外れた」「コネクタを挿し込んだときに緩い」など、コネクタに不具合が生じるケースもあるようです。なぜでしょうか。原因や使用時の注意点も含めて、教えてください。

横山さん「USB Type-Cのコネクタは従来の規格のコネクタ(例えば、microB)と比べて、全体的に耐久性が向上しています。しかし、無理な角度で挿抜(電気機器のプラグや周辺機器のケーブルなどを挿したり抜いたりすること)を繰り返すとコネクタが壊れてしまう場合もあります。そのため、『真っすぐ挿す』『持ち手部分を持って抜く』といった注意が必要になります。

なお、挿し込み時に違和感を覚える場合は、機器もしくはケーブルが同じ面で繰り返し抜き挿しされたことにより、ロック機構(ケーブルが抜けるのを防止するための部位)に緩みや摩耗などが生じていると考えられます。継続使用により、こうした不具合が生じるのはやむを得ないでしょう」

Q.USB Type-Cケーブルの耐用年数について、教えてください。

横山さん「メーカーや商品によって異なります。また、お客さまの取り扱い方によって利用可能期間が大きく変化するので、耐用年数は一概に回答できません」

(オトナンサー編集部)

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コメント

1件のコメント

  1. 意外でした