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あなたはどっち? 日焼けで、肌が「黒くなる人」と「赤くなる人」は何が違う? 皮膚科医に聞いてみた

日焼け後、皮がむけてきたらどうする?

Q.「赤くなる」タイプの人が、紫外線の強い時季に気を付けた方がよいことはありますか。

佐藤さん「赤くなる『サンバーン』タイプの人は、皮膚の炎症が主な原因なので、やけどと同様に適切なケアが必要です。炎症により赤くなるだけでなく、腫れやかゆみ、痛みを生じ、水疱(すいほう)が出る場合もあります。できるだけ皮膚を冷やし、炎症を抑える外用薬を塗りましょう。

日焼けした肌はデリケートなので、摩擦にも注意してください。かゆくても、決してかいてはいけません。顔や体はなるべくたっぷりの泡で優しく、こすらないようにして洗い、タオルもこすらずに優しく当てて水分を拭き取りましょう。

また、血流がよくなる行為は炎症が悪化し、かゆみや痛みが増すのでNGです。湯船につかることや汗をかく運動、過度の飲酒は避けましょう。かゆいときやヒリヒリ痛いときは、とにかく冷やすことが大切です。

なお、赤くなるタイプの人はメラニンを作る力が弱く、細胞がメラニンに守られることなくダメージを受けてしまいます。そのため、肌は黒くなりにくいものの、肌老化しやすく、シミやシワ、たるみが起こりやすくなります。常に日焼け止めを塗って、直射日光が当たらないようにしましょう」

Q.一方、「黒くなる」タイプの人が、紫外線の強い時季に気を付けた方がよいこととは。

佐藤さん「黒くなる『サンタン』タイプの人でも日焼けにより皮膚の炎症は起きているので、まずはサンバーンと同様のケアが必要です。

サンタンによる色素沈着は、紫外線から身を守るための生体防御反応なので、特に治療の必要はありません。色素沈着はしばらく持続しますが、徐々に元の色に戻っていきます。ただ、黒くなった皮膚を少しでも早く元に戻したいという場合は、美容皮膚科に相談しましょう。内服や美白剤の使用、レーザー治療を受けることをお勧めします。

先述した通り、メラニン色素には肌の細胞を覆い、紫外線や刺激などの外敵から守る働きがあります。黒くなるタイプの人は、このメラニン色素を作る力が高いので自己防御力も高く、光老化しにくいです。つまり、赤くなるタイプの人よりも、シワやたるみは起こりにくいといえます。とはいうものの、肌のくすみが目立ったり、ゴワゴワしたりするので、赤くなるタイプの人と同様に日焼け対策をする必要があります」

Q.日焼けによって、皮がむけてしまうこともあります。この場合はどうすればよいですか。

佐藤さん「もともと表皮の細胞は、ターンオーバーを繰り返して定期的に生まれ変わっています。サンバーンを起こすと、炎症によって表皮の細胞がダメージを受けます。ダメージを受けた細胞はターンオーバーを促進させて、早く生まれ変わろうとします。その過程で古い皮膚が浮き上がり、剥がれ落ちていきます。これが“皮むけ”の現象です。

剥がれかけている皮の下には、新しい皮膚が形成されはじめていますが、未熟な状態なので、むけてきても無理に剥がさず、自然に取れるのを待ってください。皮むけを早く治すには、保湿クリームなどでしっかりと保湿をして、皮膚を刺激しないように普段よりも優しくケアをしましょう」

(オトナンサー編集部)

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佐藤卓士(さとう・たかし)

医師(皮膚科・形成外科)・医学博士

アヴェニュー表参道クリニック院長。京都大学農学部卒業。九州大学医学部卒業。岡山大学医学部、杏林大学医学部、都立大塚病院形成外科にて研鑽(けんさん)を積み、現在に至る。日本形成外科学会認定専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本美容外科学会、日本レーザー医学会、日本手外科学会、日本創傷外科学会所属。アヴェニュー表参道クリニック(https://www.a6-clinic.com)。

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