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妻が離婚調停中、娘にアニメコスプレをさせた夫の行為を「児童虐待」と主張し…夫は不利に?

“アニメオタク夫婦”の離婚調停が話題に。夫が娘に美少女アニメキャラのコスプレをさせたことを、妻は「児童虐待案件だ」と訴えますが、果たして離婚調停の行方は――。

妻がコスプレを児童虐待だと言い出し…(写真はイメージ)
妻がコスプレを児童虐待だと言い出し…(写真はイメージ)

 離婚調停に関して先日、SNS上などで話題になりました。共に“オタク”である夫婦の離婚原因は「妻が家庭を顧みずに同人活動を続けること」で、妻側に非がある方向で調停が進んでいた中、過去に夫が娘に美少女アニメのコスプレをさせて写真を撮っていた件を、妻が「児童虐待案件」として攻勢に転じたといいます。

 SNS上では「地獄絵図」「コスプレの内容によるのかな」「どっちにしても子どもがかわいそう」などさまざまな声が上がっていますが、子どもにコスプレをさせる行為は児童虐待に該当するのでしょうか。さらに、離婚調停に影響するのでしょうか。オトナンサー編集部では、芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士に聞きました。

コスプレが「わいせつな行為」にあたるか

Q.離婚調停において、いずれかの親に虐待の証拠があった場合、調停やその後の子どもとの生活はどのようになるのが一般的ですか。

牧野さん「虐待する親に対して、親権や面会を制限する方向で検討がなされるでしょう。もともと民法には、離婚しない場合でも子どもの親族が家庭裁判所に『親権喪失』を申し立てる制度がありましたが、永久に親権を喪失させることからあまり活用されておらず、後を絶たない児童虐待防止の観点から、平成23年の民法改正では、最長2年間親権を制限できる『親権停止』の制度が創設されました。さらに、未成年後見制度の見直しで、社会福祉法人などの法人が後見人になることも可能になりました」

Q.娘に美少女アニメキャラのコスプレをさせて写真を撮る行為は、児童虐待に該当しうるのでしょうか。

牧野さん「『児童虐待の防止等に関する法律』は児童虐待について『保護者がその監護する児童(18歳に満たない者)について行う次に掲げる行為』として、以下の行為を挙げています。

1.児童の身体に外傷が生じ、または生じる恐れのある暴行を加える

2.児童にわいせつな行為をすること、または児童をしてわいせつな行為をさせる

3.児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食、または長時間の放置など

4.児童に対する著しい暴言や拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力など

 この定義に従えば、娘にわいせつに当たらない美少女アニメキャラのコスプレをさせて写真を撮影しても、児童虐待案件に該当しないと思われます。ただし例外的に、18禁の性的内容を含むものや肌の露出が多いものなどは『わいせつな行為をさせること』に当たる可能性があるでしょう」

Q.この訴えにより、妻側が離婚調停で有利になる可能性はありますか。

牧野さん「『わいせつな行為をさせること』に当たらない美少女アニメキャラのコスプレをさせる行為は、児童虐待案件に該当しないため影響がないと思われますが、『わいせつな行為をさせること』にあたるコスプレをさせて写真を撮る行為については、児童虐待案件に該当し、親権を夫側に与えない方向で検討されるという点で妻側が離婚調停で有利になる可能性はあります」

(ライフスタイルチーム)

牧野和夫(まきの・かずお)

弁護士(日・米ミシガン州)・弁理士

1981年早稲田大学法学部卒、1991年ジョージタウン大学ロースクール法学修士号、1992年米ミシガン州弁護士登録、2006年弁護士・弁理士登録。いすゞ自動車課長・審議役、アップルコンピュータ法務部長、Business Software Alliance(BSA)日本代表事務局長、内閣司法制度改革推進本部法曹養成検討会委員、国士舘大学法学部教授、尚美学園大学大学院客員教授、東京理科大学大学院客員教授を歴任し、現在に至る。専門は国際取引法、知的財産権、ライセンス契約、デジタルコンテンツ、インターネット法、企業法務、製造物責任、IT法務全般、個人情報保護法、法務・知財戦略、一般民事・刑事。

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