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「ノブ待ち」話題に 王者の風格なのにマイルドな千鳥ノブの“ツッコミ”能力

千鳥のノブさんによる、ピース・綾部祐二さんのインスタグラムに対する鋭いツッコミを期待する「ノブ待ち」が話題です。ここ数年の“千鳥人気”の裏にはノブさんのツッコミ能力があるようです。

千鳥のノブさん

 お笑いコンビ・千鳥のノブさんが、ピース・綾部祐二さんのインスタグラムに毎回鋭いツッコミのコメントを寄せていることが話題になっています。綾部さんは単身ニューヨークに旅立ち、そこでモデル気取りの格好つけた写真をアップし続けています。そこに芸人として笑いを取ろうとする意志は全く読み取ることができません。

インスタ上では「ノブ待ち」の言葉も

 そのスキだらけの綾部さんのインスタグラムに対して、ノブさんは的確なツッコミを繰り出しています。ファッションショーに行った綾部さんが、女優の水原希子さんと並んでピースサインをしている写真に対しては「全て手掛けたデザイナーみたいな顔すな!! 一般観覧やろ!!」というコメントを寄せました。

 また、建物の中で綾部さんがノートPCを片手に後ろ姿で写っている写真に対しては「パソコン小脇に抱えるな! バックに入れえ!」「ほんで服、黒しか無いけどもう色捨てたんか?」とコメントしました。

 ノブさんのツッコミはインスタ上でも話題になっており、綾部さんのアップする画像に対してノブさんのツッコミを期待する「ノブ待ち」という言葉まで作られています。

 千鳥はここ数年、みるみるうちに人気を伸ばしています。その要因の一つとして、ノブさんのツッコミ能力の高さが挙げられるでしょう。ノブさんは岡山弁を取り入れた独特のイントネーションでツッコミを繰り出します。その視点やフレーズには圧倒的なオリジナリティーがあるのです。

 有名なフレーズと言えば、いまや彼の代名詞にもなっている「クセがすごい」でしょう。もともと漫才の中で使われていた言葉でしたが、今ではここぞという時の決めフレーズとして重宝されており、世間にもすっかり浸透している感があります。相方の大悟さんがわけの分からない行動に出た時に飛び出した「どういうお笑い!?」というフレーズも有名です。ノブさんはありきたりな言葉は使わず、その場でオリジナルなフレーズをひねり出して、笑いを生むことができるのです。

 千鳥というコンビ単位で考えると、大悟さんがボケ担当でノブさんがツッコミ担当というイメージがあります。しかし、実際には、この二人はそれぞれどちらも器用にこなせるオールマイティーなタイプです。大悟さんがボケてノブさんがツッコむだけでなく、ノブさんがあえてボケっぽいことをして、大悟さんにツッコまれることもあるし、大悟さんが共演者の誰かに鋭くツッコんでいることもあります。二人そろって“波状攻撃”のようにツッコミを重ねていく場面もあります。

 ノブさんのツッコミには王者の風格があります。ただならぬセンスと経験に裏打ちされたツッコミは唯一無二の芸です。しかし、本人の見た目や岡山弁の柔らかさでギラギラした感じを出さず、マイルドな印象を与えているところが心憎いほどに完璧です。これからのお笑い界を支えるキーパーソンの一人であることは間違いないでしょう。

(お笑い評論家 ラリー遠田)

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ラリー遠田(らりー・とおだ)

作家・ライター/お笑い評論家

1979年愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など、多岐にわたる活動を行っている。お笑いウェブメディア「オモプラッタ」編集長を務める。「イロモンガール」(白泉社)の漫画原作、「逆襲する山里亮太」(双葉社)「なぜ、とんねるずとダウンタウンは仲が悪いと言われるのか?」(コア新書)など著書多数。